ブックタイトル国士舘史研究年報第7号

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概要

国士舘史研究年報第7号

我が青春・国士舘中学校時代の思い出111私は一九二九(昭和四)年生まれの八六歳。戦前、戦中、戦後と激動の世界を生き抜いてきた男である。青春時代の大半は国士舘中学校の一年から四年まで、まさに意気軒昂であった。友人たちとは日本の将来を語り、自分の人生について論じあったものである。学校の理念である「誠意、勤労、見識、気魄」を頭に叩きこみ、ただひたすらに頑張ってこられたのも、この理念を忠実に守り通してきたおかげだと思っている。七〇数年前の記憶は曖昧である。しかし、戦時中の記憶は不思議に覚えている。連戦連勝から次第に押され気味となった日本、この時代を背景に私の中学時代が始まったのである。二〇一四(平成二六)年の六月頃だった思う。六〇年ぶりに世田谷キャンパスを訪問した。戦後一度も訪れなかった母校がどう変わったのか、懐かしさと期待に胸を躍らせて校門をくぐった。近代的な校舎が建ち並び、そこには明るい表情で談笑している学生たちの姿。このような環境で学問が出来る若者たちは何と幸福なことか、羨ましいかぎりであった。学生たちと話をしているとき、一瞬眼に入ったのが、その雰囲気にそぐわない、近代的な校舎とは対照的な、いかにも重厚な建物だった。「そうだ、大講堂だ」、その瞬間、私は七〇数年前の中学時代の思い出が走馬灯のようによみがえった。三人兄弟のうち、兄、弟は新大久保にあった「東京保旧制国士舘中学校二〇期生 間宮  勇我が青春・国士舘中学校時代の思い出国士舘の思い出