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2023年01月16日

【卒業生奮闘 この人】株式会社中国放送(RCC中国放送)アナウンサー・伊東平さん

 本学の17万人以上にのぼる卒業生は、社会に出てからさまざまな世界で活躍を見せています。この企画では、社会で奮闘する卒業生に国士舘で学んだことや現在の目標・夢などをインタビューし紹介します。

<2022年12月16日取材>

 開局70周年を迎えたRCC中国放送は、広島で初のラテ兼営民間放送局であり、根強いラジオファンが多いことで知られる。ここに本学卒業生の伊東平さん(平成28年体育学部卒)がアナウンサーとして採用されてから4月で8年目を迎える。

 スポーツ実況を中心に、日々伝える仕事と向き合う伊東さんに、アナウンサーを目指した経緯を伺った。

放送局社屋の前で笑顔を見せる伊東さん放送局社屋の前で笑顔を見せる伊東さん

 

 長野県出身の伊東さんは、信越放送の元アナウンサーだった祖父、地元でフリーアナウンサーとして活躍する母、番組制作に携わるフリーディレクターの父という、放送関係一家で育つ。自身は小学4年から高校まで野球に打ち込み、小学校の卒業文集では「野球中継の実況・解説者になる」と夢を描く少年だった。


 転機が訪れたのは中学3年のとき。けいれんを起こして救急車で運ばれた伊東さんは、もうろうとする意識のなか、初めて死が頭をよぎったという。「そばで励まし続けてくれた救急救命士への安堵感は今でも覚えていて、自分も誰かに勇気を与えられる職業につきたいと思いました」。後の進路を決めるきっかけとなる出来事だった。

在学中に進路を変更

 救急救命士を目指して体育学部スポーツ医科学科に入学後、仲間に恵まれ充実した生活を送る伊東さんに2度目の転機が訪れたのは2年を過ぎた頃。「海難救助訓練や救急車同乗などの実習を経験するうち、救急救命士という仕事の実状や認知度など、もっと知らせるべきことがあるのではという想いが芽生えました」。


 大学3年のとき参加した「信州若者1000人会議」では、さらに気持ちが後押しされることに。渋谷で開催されたそのイベントで、司会者として堂々と話す女子学生の姿に感銘を受けた伊東さんは、「次の日にはアナウンススクールへ申し込みに行きました」と当時を振り返る。

大学での学びが現場の役に

 突然の進路変更に戸惑った仲間もいた。だが、大学での学びは今の職場でも生かされている。平成30年の西日本豪雨の際、取材ではサイレンの音を聞き分けて現場の状況を推察した。消防隊員が持つ資器材や動きを見て、いま救助がどの段階にあるのか予測もできた。「アナウンサーとして推測で発言はできませんが、推測をもとに準備できることはたくさんありました」と伊東さん。


 今では大学時代の仲間が、各地の消防の最前線で働いている。「仲間の活躍を一歩引いた立場で伝えることができたら、それは私にしか出せない言葉だと思います」。

  • 大学時代の伊東さん大学時代の伊東さん
  • 苦楽を共にした同郷の仲間と(中央が伊東さん)苦楽を共にした同郷の仲間と(中央が伊東さん)
実況は常に“受験勉強”

 現在はスポーツ実況アナウンサーとしての成長を会社から期待されている。「昨年はテレビとラジオで野球中継を約20本。その他にサッカーの開幕戦やハンドボールの試合、女子テニスの世界ツアーの実況も任されました」。得意な野球ならまだしも、その他のスポーツ実況にはどう対応するのだろう。


 「ルールも選手のデータも、すべて一から勉強です。過去の実況を聞きこみ、文字に起こして再確認し、この間にこのくらいの言葉を詰め込むなどしゃべり込みの練習もします。野球ならボールの飛び方を、見る角度を変えて検証し、打ち方と飛球の関係を目と耳の感覚で擦り合わせることも」。


 そんなアナウンサーの仕事を「どろくさい」と伊東さんは表現する。「弊社は伝統のある放送局です。球場での立ち振る舞い、声をかけるタイミングやアプローチの仕方など、先輩の背中を見て学びました。頻繁に練習場へ足を運び、選手を観察することもそのひとつ。そこから独自の着目点をいくつ見つけられるか、信頼関係をいかに築くかなど、選手と同じくらい汗をかきながら情報収集し、実況資料としてまとめます」。取材ノートには、地道で丁寧な聞き込みの跡がしっかり残っている。

  • びっしりと書き込まれた取材ノートびっしりと書き込まれた取材ノート
  • ラジオのスタジオでインタビューが行われたラジオのスタジオでインタビューが行われた
  • 収録でも入念な準備は欠かさない収録でも入念な準備は欠かさない
  • 生番組ではコーナーも担当する(右端が伊東さん)生番組ではコーナーも担当する(右端が伊東さん)
学生時代は大いによそ見を

 国家資格を取得したのにもったいないと思ったことはないのか。「救急救命士は素晴らしい仕事です。ただ、僕はやりがいを別のところに見出しただけ。それは、いつかアナウンサーとしてこの職業にスポットを当てることでもあるし、この先誰かを救えることができれば、資格をとった価値も十分にあると思います」。


 野球で身に付けた粘り強さ、大学で培われた根性、さまざまな場面での学びはすべて無駄ではないという。「どんな学びでもアイデア次第で生かせる場所が広がります。学生のうちはいろんなことに挑戦しながら大いによそ見をすればいい。周りを見ないと進行方向は定まらないものです」。


 無限に広がる未来を、自らの行動力と実践力で切り拓いた伊東さんだからこそ言えるメッセージではないだろうか。

 

プロフィール

氏名:伊東 平(いとう・たいら)

 

生年月日:1994年2月24日生まれ(28歳)
出身学部:体育学部スポーツ医科学科 2016年卒業

出身地 :長野県飯山市

 

株式会社中国放送(RCC中国放送)
アナウンサー

 

 

過去のインタビュー記事はこちらから

「卒業生奮闘 この人」バックナンバー

https://www.kokushikan.ac.jp/news/other_details_16520.html

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