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2021年04月03日

【祝ご入学】令和3年度(2021年4月)新入生の皆様へ佐藤圭一学長から新入生の皆さんへのメッセージ

令和3年度入学式

式辞

 

国士舘大学 学長 佐藤 圭一

 

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。春爛漫のこの佳き日に皆さんを国士舘大生として迎えることは大変うれしく、心よりお祝い申し上げます。本日、入学された皆さんは、新型コロナウイルス感染拡大への警戒という経験したことのない環境下での受験勉強、そして入学試験を強いられながらも、ひるむことなく日頃の成果を発揮されましたことに敬意を表したいと思います。

 

 年が改まっても、そして今なお収束はおろか、変異ウイルスの急速感染拡大という新たな脅威に晒され、依然として出口が見えない状況が続いています。ただし、今、私たちが改めて深く理解すべきことは、個々の人間の行動によって媒介・拡散されるコロナウイルス感染とは、地震・台風など不可抗力的「自然現象」ではなく、私たち一人ひとりの自覚的行動によって抑制可能な「社会現象」である点です。一人ひとりの責任ある行動が感染の拡大を阻止し、終息へ向かう扉が大きく開かれるのです。

 

 本学では、昨年4月、国の「緊急事態宣言」発出と時を同じくして、医師でもある本学の教授陣を中心に「国士舘大学・新型コロナウイルス感染症のモニタリング指標」並びに、行動規範の緩和や自粛を判断する「国士舘大学ロードマップ」を策定するなど周到な準備の下で、学生の健康と安全を最優先に務めると同時に、高等教育機関としての責務である「教育の質保証」を両立させるために、個々の学生のPC環境の整備、新たな奨学金制度の創設など、大学の総力を結集した全学オンライン授業を開始し、大きな成果を収めることができました。今日から始まる新年度においても、本来の学生生活である対面授業を基本としながらも、あらゆる事態を想定し、コロナ禍で得た知見が集積されたオンデマンド方式やハイブリッド方式などのICT技術を積極的に活用することにより質の高い教育・研究を図ってまいります。

 

 逆境は、苦難と共に、私たちにさまざまな創造する機会を与えてくれました。その根底にあったものが、私たち国士舘人の生命線であり、精神的支柱を成す「建学の精神」並びに「教育理念」であります。

 国士舘は大正6年(1917年)に、当時日本を含む、世界中で跋扈(ばっこ)していた物欲主義、利己主義を排し、「国を思い、世のため、人のために尽くす」公徳心豊かな人材を養成することを建学の精神とし、その具現化と実現のために「誠意・勤労・見識・気魄」の四徳目を教育理念として設立されました。創立者や先達者によって灯された「建学の精神」そして「教育の理念」は、一世紀以上を経た現在においても、私たちの心の奥底で赤々と燃えあがっているのです。国士舘大学の建学の精神である「国を思い、世のため、人のために尽くす人材養成」、教育理念である「誠意・勤労・見識・気魄」には世界が羨望してやまない人類共通の普遍的価値観が内包されていることを、是非とも、入学する皆さんの心にしっかりと刻んでください。

 

 先月、東日本大震災から10年の月日が流れましたが、海外メディアからは、哀悼の言葉と共に、「想像を絶する絶望感・喪失感に打ちひしがれても、なおかつ、礼節を失わずして、秩序を守り、他人を労わる。そうした人々の不屈の精神は奇跡と呼ぶに相応しく、強く心打たれた。」といった多くの称賛のメッセージが寄せられました。

 また、このたびの新型コロナウイルス感染症感染拡大の状況下、世界の国々はロックダウンなど刑罰を伴う緊急権の発動により国民の行動を厳しく規制したのとは対照的に、我が国では自粛要請だけでも有効であることを世界に示したのでした。日本人の伝統的かつ高度な公衆衛生に対する意識はもとより、そこには私欲を抑え、自助努力や共助の精神、すなわち古来、日本人を象徴する“公徳の心”、国士舘大学が校是として継承する日本の精神文化が示されているのです。

 現在、日本には750を超える四年制大学がありますが、100年を超える歴史を経ても、揺るぐことなく、明確な「建学の精神」「教育理念」を堅持し、実行し続けている大学は決して多くはありません。コロナ禍での変化に例証されるように、一部とはいえ、貴重な日本の精神文化の希薄化が散見される昨今、国士舘大学が日本で、そして世界に負う使命と果たすべき責任はますます重要になってきているのです。

 国士舘大学の伝統とは、日本人が連綿として継承してきた価値観、いや世界中の人々が希求している価値観そのものなのです。本学の卒業生に、公務員、教員、警察官、消防官、救急救命士などが多い理由、また国士舘大学が人々の命を守るための防災教育に全学を挙げて取り組んでいる理由がお分かりいただけたと思います。それは「建学の精神」を体現することが国士舘大生の使命だからです。因みに、公務員合格者は常に全国の大学の上位に位置し、一昨年は警察官、消防官の合格、そして救急救命士合格が全国トップ=第1位にランクされました。

 人それぞれに個性があるように、大学にも個性があります。本日、入学を果たした皆さん!「国を思い、世のため、人のために尽くす人間」となるために、日々、「誠意・勤労・見識・気魄」の四徳目の修養を教育理念に掲げるこの個性豊かな国士舘大学で、後ろを振り向くことなく、前向きに全力で取り組んでみようではありませんか。そうすれば、皆さんの明るい未来が約束されます。

 

 ただし、大事な点を心に銘じて下さい。皆さんは本日、“人生の宝物”を手に入れました。今はまだ実感できなくとも、10年後、20年後に振り返れば、大学での学生生活は生涯に二度とやって来ない貴重な人生の宝物となっているはずです。大学生活のたった数年で皆さんの人生が大きく開かれます。この数年間で高校での失敗を取り返すことも、新しい自分を見つけることも、今まで考えてもいなかった“夢”を現実のものとすることもできるのです。

 

 とはいえ、それらの全ては、「国士舘大学での一日一日の学生生活をどのように過ごすか?」の一点に絞られ、全ては皆さん自身の意思に託されています。好きな分野の勉学やクラブ活動に没頭することや資格取得に邁進すること、困った人を助けるためにボランティアに励むこと、全国各地を旅して一期一会を楽しみ、人生の視野を広げることなど、皆さんのさまざまな取り組みに対し、国士舘大学は「皆さんの夢を叶える」ために全力でサポートします。

 本学には公務員、教員、民間企業への合格を確かなものにするための多種多様な就職対策講座が開設されています。また、スポーツ系、武道系、文化系を含む112を数えるクラブやサークルがあります。更なる研究の深化を求める皆さんのために大学院の10研究科に修士課程・博士課程が設置されています。

 更に、異文化を理解し、世界で活躍できる人材養成を目指す本学は、海外留学を奨励するためアメリカ、カナダ、またアジア・ヨーロッパ諸国を中心として世界の51校の大学、3つの研究機関と海外協定校と学術協定を結んでいます。コロナ禍の終息後は学生間の交流が再開されます。視野を海外に向け、グローバル社会で自分の可能性を引き出したいと考える皆さんは、その時に備え力を蓄えておいてください。

 

 最後に、このコロナ禍で、紆余曲折があり、また課題が残されていますが、東京オリンピック開幕まで、いよいよあと113日を残すのみとなりました。皆さんは、この東京の地で、57年ぶりに開催される東京オリンピック・パラリンピックを実体験する幸運に恵まれました。わが国士舘はこれまで54人のオリンピアン、10人のメダリスト、5人の金メダリストを輩出しています。参加する選手が、家族やチーム、自分を支えてくれた監督やコーチ、そして国家・国民のために全身全霊を傾けている姿に、きっと心揺さぶられる感動を覚えるはずです。皆さんは、困難を乗り越え、日本を、そして世界を一つにするスポーツの、そしてオリンピック・パラリンピックの力を知る歴史の目撃者となれるのです。五感を研ぎ澄まし、世紀の祭典を脳裏に焼き付けてください。生涯の思い出となるはずです。

 

 4年後あるいは2年後の3月20日、国士舘の建学の精神と教育理念を体現し、立派な「国士」となった皆さんが満面の笑みで、互いの友情と健闘を称え合う卒業の日、その日を心から盛大にお祝いすることが、私たち教職員の最大の願いです。皆で、悔いのない素晴らしい大学生活を今日からスタートさせましょう!皆さんの前途を祝福いたします。

 

 

令和3年4月1日

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