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2021年04月03日

【祝ご入学】令和3年度(2021年4月)新入生の皆様へ大澤英雄理事長から新入生の皆さんへのメッセージ

令和3年度入学式

祝辞


学校法人国士舘 理事長 大澤 英雄

 

 

 皆さんの国士舘大学へのご入学をお祝い申し上げます。皆さんを心から歓迎いたします。

 本日は皆さんが国士舘大学の学生として第一歩を踏み出す記念すべき日です。

 まず、皆さんはこの新しい生活を始めるにあたり、最高学府に学ぶ機会を与えてくださったご両親をはじめ、支えてくださった方々に感謝することを忘れてはなりません。本来ならば、ご列席いただき皆さんの大学生生活のスタートを一緒にお祝いするところでありますが、現下の情勢からこのような形にせざるを得なかったことを大変残念に思います。この場をお借りして、ご父母、ご家族の皆様にお祝い申し上げるとともに大切なお子様の未来を本学に託して頂きましたことにお礼を申し上げます。

 

 国士舘は、大正6年に柴田德次郎先生によって東京・麻布に私塾国士舘として創立されました。吉田松陰の精神を範とし、心身の鍛練と人格の陶冶を図り、国家社会に貢献する智力と胆力を備えた人材、すなわち「国士」の養成を旨とします。「国士」とは、世のため、人のために尽くせる「献身の人」です。現在では、大学・大学院および中学校・高等学校を擁する総合学園として発展し、学園は2017年、創立100周年を迎えております。その卒業生は、17万8千名を数え、教育界をはじめ、政治、経済、情報、スポーツ界で活躍し、極めて高い社会の評価を得ております。

 「他に尽くすことは賞賛に値する」。つまり普遍的ともいえる「他への献身」は、国士舘建学の精神であり、国内外に難問が山積する現代に最も適合し、必要とされています。国士舘の学びの中で培われた精神は、卒業後の進路にも色濃く反映されており、高い使命感を持って公務員を志望する学生が多く、中でも警察官・消防官への就職率は日本でもトップクラスを誇っています。一世紀前に創立者が掲げた教育理念は今も脈々と受け継がれているのです。

 今日から皆さんも「国士舘」の一員です。この伝統ある学風と教育理念を受け継ぎながら、国士舘の構成員として共に新しい歴史を創っていきましょう。

 

 さて、ここにおられるほとんどの皆さんにとって本学は、学校で学問を修める最後の場になると思います。ですから、この学生生活の過ごし方が今後の人生に大きな影響を与えるということをまず、自覚してください。大学入学は決してゴールではありません。

 皆さんは今、同じスタートラインに立っています。大学時代は実社会に飛びたっていく人間として自主性を確立させる時期であります。「自主性の確立」とは、自分の考えを持ち確信に満ちた志と自己責任を伴う覚悟をもつことです。

 つまり、大学は、皆さんが社会に出て自分自身の持っている資質・能力を十分に発揮できる途を見つけるために自らを律し、自主的に自己を教育し、人間形成を図っていく空間であり、学問を究める場です。学問は私たちを取り巻くあらゆる疑問への探求から始まります。教室で皆さんが受ける講義は、一人ひとりに学びのきっかけを与えてくれます。それを受け止め、自らの学びを広げ深めていくのが大学です。

 もうお分かりですね。この大学生活において、皆さんに一番求められるのは、「自分で考え、判断する力」です。物事の全てを自分で開拓していくのです。ですから、大学が皆さんに自動的に社会に出るための教育をしたり、4年後の卒業や就職を保証することなどもありません。加えて、先生方は皆さんを独立した人格として接しますから、個人の学生生活の細部に干渉することはありません。 

 つまり、大学生活の全ては、各自の自主的な判断に委ねられています。授業の選択はもちろん、その出欠席、あるいは課外活動への参加・不参加、そして何もしないでいることでさえ、皆さんの自由な選択によって成立します。しかし、その自由には自己責任が伴っていることを忘れてはなりません。 

 皆さんが、強い意志を持ち続け、大学生活を全うするためには精神的な自立が伴います。それには、本来、自らがすべきことを人に依存せず、これまで当然のように親をあてにしていたことも、今後は皆さん自ら対応する努力をしましょう。

 更に学生時代に人生の基礎固めをするために、はっきりとした目標のある生活を送る必要があります。目標のない生活は、ゴールのないマラソンのようなもので、時間と体力が浪費され、気力を失うだけです。今、目標のある方は、より確実なものとするために、まだ目標が定まっていない方は、多くの人との語り合い、意見交換することによって、物事を多面的に考える習慣を身に付けてその中で目標を定めてください。

 私は先程、大学への入学が卒業後の就職を約束するものではないことを申し上げましたが、わが国では新規大卒就職者の3人に一人が卒業後3年以内に離職するという状況が続いています。それにはいくつかの要因があるのですが、その一つとして自分の資質・能力が自分でもよく分からないまま職を選んでいるという点も見えます。

 今日からは十分に自分と向き合い、最大限に自分を活かせる道を見付けるための日々です。自分を見つめ、自分を知るために時間を使ってください。自分を鍛え、成長させてください。

 

 さて、皆さんは、生まれた時から既にデジタル機器が身近にあり、それらに慣れ親しみながら育った世代です。指先のちょっとした操作で、あらゆる情報が瞬時に入り、いとも簡単に答えを得ることができます。ネット社会は、便利である反面、人間関係を希薄にするばかりか、意思の疎通が図れない、コミュニケーション能力の低下を招く傾向にあると思えて仕方ありません。

  他者との意思疎通を上手に図るため、良好な人間関係を築くために最も必要なものがコミュニケーション能力、「話す力」「聞く力」「交渉する力」です。就職も含めて、皆さんが生きていく上で身に付けなければならないコミュニケーション能力は、簡単なメールのやりとりで済ませてばかりでは、身に付きません。皆さんには新しい生活の中で、生身の人間同志の会話を楽しんで頂くことを切望します。

 周りに自由に話し合える教師や先輩、友人が大勢いるというのは学生時代の特権の一つです。ここに居る皆さんは、ほとんどが今日初めて顔を合わせた者同志です。日本各地、そして他国から同じ場で学ぶことを目的に集った仲間がたくさんいます。このようなことは、これまでの皆さんの人生の中で、恐らく初めてではないでしょうか。異なる環境で暮らしてきた知らない者同志が、仲間になるチャンスです。そして、この仲間たちは生涯の友ともなり得ます。

 

 これから申し上げるのは、私が 国士舘の理事長と言うよりも、むしろ、皆さんと同じキャンパスで、充実していたと自負する学生時代を送り、多くの友人、かけがえのない生涯の友を得ることができた一人の同窓生として是非、お伝えしておきたいことです。

 

 遙か、後輩の皆さん!

 国士舘で多くの人と語り合い、幾つもの発見を通して、自分自身を創り出してください。 そして、豊かな人間関係を築き強い若者になって、人生を逞しく生き抜く準備をしてください。

 国士舘は、充分にそれを叶えてくれる学び舎であります。

 

  皆さんの国士舘での学生生活が豊かな未来に繋がる、実りあるものとなることを心から願って祝辞といたします。

 

 

 令和3年4月1日

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