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2020年04月01日

大澤英雄理事長から新入生の皆さんへのメッセージ

自ら学び、自ら人生の創造を


学校法人国士舘 理事長 大澤 英雄

 

 

 皆さんのご入学をお祝いし、心から歓迎いたします。

 また、ご家族の皆様には衷心よりお慶びを申し上げると共に、大切なお子様の未来を本学に託していただきましたことに、厚く御礼を申し上げます。本来ならば一堂に会して、皆様のご入学をお祝いし、学園に新しい仲間を迎える喜びを直接お伝えするところでありますが、現下の情勢からそれが叶わず、誠に残念でなりません。

 

 国士舘は、大正6年(1917年)、創立者・柴田徳次郎先生によって、東京・麻布に私塾 「國士館」として産声をあげました。吉田松陰の精神を範とし、心身の鍛練と人格の陶冶を図り、国家社会に貢献する智力と胆力を備えた人材、すなわち「国士」の養成を旨とします。「国士」とは、世のため、人のために尽くせる「献身の人」ということです。

 現在では、大学・大学院及び高等学校、中学校を擁する総合学園として発展しております。学園の卒業生は既に17万5千人を数えており、教育界をはじめ、政治、経済、情報・通信、スポーツなど、あらゆる分野で活躍しています。一世紀前に創立者が掲げた教育理念は、今も脈々と受け継がれております。「他に尽くすことは賞賛に値する」この点を教育することの必要性は、日本のみならず全ての国において普遍的なものであり、国士舘の建学の精神は国内外に難問が山積する今の時代に最も適合し、必要とされているのです。

 

 国士舘の学びの中で培われた精神は、卒業後の進路にも色濃く反映されており、高い使命感を持って公務員を志望する学生が多く、中でも警察官・消防官への就職率は日本でトップクラスを誇っています。また国士舘は、変革する時代のニーズに応じた人材育成にも力を入れております。その一つが「防災教育」です。災害の多い時代を生き抜き、地域や社会に貢献できる人材育成のため、全学生が防災を学べるカリキュラムを導入しています。卒業後も地域社会に貢献できる防災リーダーの養成は、まさに本学園の教育理念に沿うものであります。

 

 皆さんは今日から国士舘大学の学生であると同時に、学園「国士舘」の一員です。この伝統ある学風と教育理念を受け継ぎながら国士舘の構成員として、共に新しい歴史を作って参りましょう。皆さんが国士舘の一員として有意義な学生生活を送ることができるように私たち教職員は全力でサポートいたします。

 

 まず皆さんは、この新しい生活を始めるに当たり、最高学府に学ぶ機会を与えて下さったご両親をはじめ、支えて下さった方々に感謝することを忘れてはなりません。高校から大学へ進学すると環境が一気に変わり、暫くは戸惑うことが多いと思います。しかし、変わるのは環境ばかりでなく、皆さんの心構えも一新していただかなくてはなりません。入学される皆さんの多くは、本学が学校で教育を受ける最後の場になることと思います。ですからこの学生生活の過ごし方によって、今後の人生が大きく変わっていくということを、まずここで申し上げておきます。

 

 大学における学びとは「自ら学ぶこと」であり、さらに「自ら学ぶ力」を養うことにあります。大学は、実践的な知識やノウハウなど人から与えられたことを身に付けることだけではなく、自らが導き出したテーマを究める場なのです。さらに、大学は、皆さんが社会に出て自分自身の持っている資質、能力を十分に発揮できる途を見つけるために、自らを律し、自己の研さんに励み、人間形成を図っていく場でもあります。  

 皆さんが教室で受ける講義は、各自に学ぶためのきっかけを与えてくれていると思って下さい。もし、皆さんが「大学に行けば、自動的に社会に出るための教育をしてくれる」あるいは「卒業後の就職が約束されている」などと、思っているのであれば、それは大きな間違いです。大学生活の全ては自らが開拓するものであり、誰にも頼れません。「誰かが」や「自動的に」などと言うことは何一つないのです。皆さんは、与えられたきっかけをしっかり受け止め、そこから自分の学びを拡げてほしいと願っています。

 

 大学生活の全ては、各自の自主的な判断に委ねられています。つまり履修の選択はもちろん、授業への出欠席、あるいは課外活動やボランティア活動への参加・不参加、そして何もせずにいることでさえ、そのすべてが皆さんの自由な選択によって成立するのです。

 しかし、その自由には、常に自己責任が伴っていることを忘れてはいけません。そして、そこには自らを堕落させる恐ろしさも潜んでいます。自らを律するのか、欲望の赴くままに自由を謳歌するのか、それは自分次第です。

 

 大学で何をしたいのか、夢の実現のため、目指す職業に就くために何を学んでおきたいのかをいま一度、自らに問いかけてみてください。既に目標のある方は、より確実なものとするために、まだしっかり定まっていない方は多くの人と語り合い、意見を交わす中から見つけて下さい。学生生活におけるさまざまな人との出会いは、多面的に考え、自らの潜在能力の発展につながるかもしれません。目標のない生活は、舵のない船のようなもので、波間に漂い、時間ばかりが無駄に過ぎていきます。

 

 皆さんは生まれながらにして、インターネットやコンピュータのある生活環境で育ってきたデジタルネイティブ世代です。ビジネスのデジタル化が急速に進む現代において、スキルの活用は大きな手段、武器となります。友人や家族とのコミュニケーションもある意味で促進されるかもしれません。

 その一方で、いじめやプライバシーの侵害、犯罪に巻き込まれるなどネット社会ならではのリスクも生じています。同じ意見に「いいね」と共感し、反対意見には匿名で攻撃して炎上させるなどの現象も日常茶飯事です。

 

 皆さんはいま、人生の新たな出発点に立っています。育った地域や環境の異なる仲間や教職員、そして未知なる学問との出合いが待っています。

 だからこそ皆さんには、今そこにいる生身の人間同士との会話や膝を交えた交流を心がけてほしいと願っています。大いに語り合い、自分のことを知ってもらい、相手を認め、時に意見をぶつけ合い議論することも、より豊かな人間関係を築くきっかけになることでしょう。そしてそれは、一生の友との出会いに繋がるはずです。

 

 どうか皆さん、自由に、存分に学ぶことのできる国士舘での日々を一日たりとも無駄にすることなく、自己実現、夢の実現に向かって一歩一歩、着実に歩んでほしいと願っています。

 皆さんが本学を巣立つとき、人々に幸せをもたらす力を携えた人に成長していることを心から期待し、お祝いの言葉といたします。

 

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