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2020年03月20日

大澤英雄理事長から卒業生の皆さんへのメッセージ

粘りと忍耐が成功の鍵


学校法人国士舘 理事長 大澤 英雄

 

 皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 皆さんを支えて来られたご家族の方々にも衷心よりお祝いを申し上げます。

 皆さんは本学で学問を修め、研鑽を積んだ功により、めでたく、学士・修士及び博士と称する栄誉と称号を手にされました。心からお祝いを申し上げます。

 皆さんが国士舘で過ごした青春の一時期はどのようなものだったでしょうか。

 私は、殆どの皆さんが入学した四年前の入学式で「大学生活の全ては各自の自主的な判断に委ねられているから、自分で自分の学園生活を作り上げて、人生を強く生き抜く準備をするように」と申し上げました。充実した学生生活を送ることができたでしょうか。

 現在、我が国では大学教育が一般化しており、大学に学ぶこと自体、ごく当たり前という見方さえあります。

 しかし、大学に学ぶ機会を得たことが、皆さんにとって大変に貴重な体験であったことに間違いはありません。

 まず皆さんは、この時間を与え支えてくださった、ご家族をはじめ周りの方々に感謝の気持ちを伝えることを忘れないでください。

 今は、長い学校生活からの開放感と新生活への期待と希望でいっぱいの方も多いと推察しますが、そんな雰囲気にのんびり浸ってばかりもいられません。

 これまで皆さんは「学生」という括りの中で、少なからず社会的に保護されていた部分があった筈ですが、今後は、誰からの守りもなく、一社会人として大きな社会的責任を負っていかなければならないからです。お渡しした学位記は、学問や物事の基礎的な部分を身に付けたことの証明書であって、学ぶことの終了を意味する物ではありません。大学生活というかけがえのないこの体験も今後、自分で目的を定め、自身の資質、能力を十分に発揮しなければ、意味を成しません。

 実社会は、まさに生きた学びの場です。いま一度、この実社会という言葉の意味を確認してみますと、辞書には「実際の社会」とあり、その説明として「美化・様式化されたものとは違って複雑で、虚偽と欺瞞とが充満する、毎日が試練の連続であると言える、厳しい社会を指す」とあります。これから皆さんは、この厳しい環境の中で生きる努力を続けなくてはなりません。生きる努力とは、学校を出てからどういう勉強をするか、どういう生き方をするか、それぞれの立場や職場に即した、生きた学習・実地の勉強であり、これこそが真の学びです。

 正に人の一生は自己教育の連続です。実社会で問われるのは学歴ではなく、その人に何ができるかであり、その能力を開発し、最大限に活用するために学び・努力する姿勢です。つまり、その人の力量と人柄が重要視されるのです。大学の評価は、志願者数や競争倍率が決め手となるのではありません。その大学における教育の中身と卒業生が社会的にどんな働きをして、どんな評価を得るかという点であります。ですから卒業生の行動や振る舞いに依るところが大きいと言わねばなりませんし、皆さんに寄せる期待も大きいのです。

 これから皆さんが進んでいく社会は、それぞれの夢や希望を実現する場であることは勿論ですが、その一方で厳しさを知ることになる場でもあります。どんな職業に就いても、始めの何年かは特に大変で辛いことが多いのだと、まず覚悟してください。就職して数年で仕事の本質を見極め、自分の資質を充分発揮できるなどということはまず、あり得ません。問題は与えられた環境や条件にどう対処して如何に工夫し前進するかです。自分の足で立ち、自分の力で生きることが社会人としての鉄則であり、今まで支えてくれた家族への恩返しの第一歩でもあります。

 私の永年に亘る教師としての経験からも最近の若者からは、確固たる意思が感じ取れないことが多いように思います。すぐに結果を求めてはいけません。成功する人と失敗する人との差、それは粘り強さと忍耐力があるかどうかということだと思います。まずは辛抱し、自分の仕事に興味と愛情を持ってください。経験を積んで体に染み込ませてください。そうすることで生まれる「責任感」と周りからの「信頼感」を実感してください。

 もう一つ、お伝えしたいことがあります。

 現代社会は、政治・経済・教育・情報、どの分野を見ても激しい競争が見られ、先の見通しの利かない難しい時代であることは、皆さんもご承知のとおりです。更に世界中で大きな自然災害も発生し不安定な状況が続いております。加えてこの度のウィルス感染拡大を誰が想像したでしょうか。
これにより皆さんの門出を祝う式典も止む無く中止とせざるを得ませんでした。誠に残念でなりません。

 しかし、皆さんはこのような状況下でも、不確かな情報に振り回されることなく、自分を見失わずに日々を送らなくてはなりません。これは、そう容易いことではありません。そんな時だからこそ、時代が如何に変わろうと国士舘を母校とする皆さんには「人を思いやる心」を常に心に留め置いて頂きたいと思います。皆さんは自立を目指さなくてはなりませんが、他人の気持ちを充分に思いやるほどの人格ができてこそ、自立もできるのです。人は皆、幸福を求めて生きていますが、人の幸・不幸に大きく影響を与えているのは、人間関係ではないでしょうか。

 ですから皆さんは、今後待っている出会いの一つひとつを大切にして、その人達に誠意をもって対応すること、感謝することを心がけて下さい。

 誰かの役に立つことを喜ぶ気持ちこそが、国士舘精神の原点であります。人を幸せにすることが、自分の真の幸福になるということです。「誠意」つまり真心は、正に人格の基礎を成し、誠意があってこそ世のため、人のために貢献できるのです。

 皆さんは、在学中に創立百周年を迎え、更に新たな百年に向かい踏み出した国士舘を巣立つ、ごく限られた、大学或いは大学院の記念すべき卒業生です。国士舘精神の具現者として、一歩一歩、確かな足取りで努力を続け、心豊かな人生を送ってください。

 更に留学生の皆さんは、日本で、そして本学で培われた学識をそれぞれの母国のために活かしてください。

 最後に国士舘も皆さんの母校として恥じることの無いよう、次の百年に向け、建学の精神を受け継いで、更なる発展に向かうことをお誓いして私の餞の言葉といたします。

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