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2020年03月20日

佐藤圭一学長から卒業生の皆さんへのメッセージ

永遠の"絆"で結ばれた皆さんへ!

 

国士舘大学 学長 佐藤 圭一

 

 卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。本来ならば学位記に記された3月20日は、学業に励まれ、日々の研鑽により学士・修士・博士の学位を取得された皆さんが一堂に会し、皆で祝福すると共に、お互いの友情と健闘を讃え合うかけがいのない大切な一日となるはずでした。人生の大切な節目である式典を挙げられなかったことは痛恨の極みであり、私自身、仰天長嘆の日々が続いております。

 さて、私が学長職に就いて最初に迎えた新入生が皆さんでした。平成28(2016)年4月1日当日はあいにくの曇り空でしたが、会場周辺では、皆さんの前途を祝うかのように満開の桜が迎えてくれました。式辞で私が次のようにお話したことを覚えていますか?「大学での4年間は生涯に二度とやって来ない人生の宝物です。この4年間でその後の人生が変わります。皆さんには、今日から卒業まで、4年間の猶予が与えられたのです。こんな贅沢はありません。しかしそれを真の宝物にするためには、国士舘大学でのこの4年間をどのように過ごすかの一点に絞られ、全ては皆さん自身の意思に託されているのです。」

 今、皆さんに問います。"4年間は宝物だったでしょうか?"皆がそうであったと願わずにはいられません。10年後、20年後、そして30年後に振り返る国士舘での学生時代が、"今ある自分の礎となっていた"との感慨に浸って頂けるならば、私たち教職員の本懐とするところです。

 また、その翌年には記念すべき「国士舘創立100周年」を迎えました。10月27日のオープニングセレモニーでは、「皆の幸せ、そして国士舘の繁栄の願いよ!天まで届け!」との思いを込めて、澄み切った秋晴れの空高くバルーンリリースしましたね。100周年を共に迎えられたことは大いなる喜びでした。

 ところで、皆さんは私が折に触れ「世は国士舘の時代である」と述べていたことを覚えていますか?社会の国士舘に対する評価や期待は大いに高まっています。その理由は、国士舘が、世界が賞賛し羨望してやまない"日本人のこころ"を創立以来、揺るぐことなく、堅持してきたからなのです。

 では一体、"日本人のこころ"とは何か。わが国は毎年のように大規模な自然災害に見舞われていますが、日本人は繰り返される大災害にあっても、法令を遵守し、秩序を重んじ、自制し、他者を助け、助けられた人は感謝するといった理性的行動に徹します。他国であったような略奪や暴動が頻発することはありません。不満を声高に叫ぶこともありません。むしろ、限られた水・食料であっても、自分より困っている人、またお年寄りや子供達に進んで与えようとします。たとえ弱者や被害者であっても、他人を思い、社会を思い、感謝をもって行動します。被害者の悲しみを、国民一人ひとりが"わが事として寄り添う"という他者を思い遣る日本人固有の行動様式です。絶望の深淵に突き落とされた人々であっても、救助に関わった方々一人ひとりに感謝する姿、また全国各地からボランティアが続々と集結する様子を皆さんも幾度となくニュース等を通して目にしてこられたと思います。

 実は、この"日本人のこころ"は、わが国士舘が創立以来、揺るぐことなく、受け継いできた国士舘の建学の精神である「国を思い、世のため、人のために尽くす人材『国士』の養成」、また教育の理念である「誠意・勤労・見識・気魄」と一体と成すものです。国士舘の建学の精神とは「わが国が連綿として継承して来た公徳心」、すなわち「私欲を抑え、人のため、社会のためを思って行動するこころを持った人間の育成」そのものを意味しているのです。

 次に教育の理念である「誠意・勤労・見識・気魄」の四徳目について述べます。これらは漫然と並んでいるのではありません。順序があります。誠意とは私心を控えることです。そして誠意に基づく勤労が大切です。何のために働くのか?「世のため、人のため」です。国士として「国家社会のために貢献すること」です。それに対して、誠意に基づかない勤労は、そして見識に裏打ちされない勤労は、時として人間の欲望を満たすための私利私欲に狂奔することに陥りがちになります。また見識なき気魄は、虚勢や空威張りに成りかねません。

 この四徳目を身につけるためには、三綱領である不断の「読書・体験・反省」の実践が前提となるのですが、誠意・勤労・見識・気魄がみなぎることにより、自立した人間、すなわち「国を思い、世のため、人のために尽くす」"真の国士"となり得るのです。

 繰り返しますが、国士舘の四徳目とは、古来、日本人が愚直なまでに手を抜くことなく、守り抜いてきた日本人の精神文化・価値意識そのものなのです。

 実はこの価値意識は、本来、日本人だけに留まるものではありません。万国に共通の、およそ人類が共有すべき最高の美徳、理念型でもあるのです。だからこそ、世界が、いつの間にか失ってしまったこれらの美徳を求めて、日本を訪ね、日本人を、そして日本文化を知ろうとしているのです。国士舘大学は、世界が羨望して止まない「公徳の心」を持ち、「自立した者としての責任を果たし」、「その歩みを生涯実践する人間」を養成する大学なのです。

 他方で、伝統とは、時代に対応しなければ輝きを失うものです。自然災害と向き合う宿命を負う日本にあって、人々のために、災害や防災に知悉し、しかも身も心も傷ついた人々に寄り添う、心優しくしかも心身共に強靭な人材を養成することが国士舘大学の課せられた使命です。皆さんが受講された防災教育は必ずや世のため、人のために役立つはずです。

 国士舘大学を卒業される皆さんは、国士舘精神の継承者です。皆さんと母校国士舘大学との"絆"は永遠に続きます。社会は卒業生である皆さんを通じて国士舘をイメージし、国士舘大学卒業生として当然のこととして備わっている資質に期待しています。

 国士舘大学の発展の一翼を担い、成長を遂げる皆さん!

 いつの日か、再会を果たし、互いに、わが国士舘大学、そして「世界と日本」の将来について語り合えることを楽しみにして、私からのはなむけの言葉とさせて頂きます。

 最後に格言を1つ添えたいと思います。

 

 「人生とは、自分を見つけることではない。人生とは自分を創ることである」(バーナード・ショー)

 

 自分の力を信じて、素晴らしい人生を!

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