国士舘要覧 2017
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16 国士舘要覧2017教育学長挨拶国士舘大学 学長佐藤 圭一さとう・けいいち1955年青森県生まれ。1984年国士舘大学大学院政治学研究科政治学専攻博士課程修了、2006年政治学博士(国士舘大学)1984年本学に入職。2002年政経学部二部教授、2003年政経学部教授、2012年大学院政治学研究科長同学部政治学科主任を2期(2002年から2003年、2006年から2008年)、同学部教務主任を3期(2003年から2004年、2004年から2005年、2007年から2010年)務める2009年から宗教法学会理事、2014年から比較憲法学会理事専門はアメリカ政治史さらなる充実と発展を期して 国士舘大学は、1917 (大正6)年に創立者の柴田德次郎先生が東京・麻布の地に人材養成の教育道場を創設したことに由来します。その2年後、松陰神社に隣接する世田谷の地に拠点を移しました。以来100年間、敬愛してやまない吉田松陰の精神を範として「国を思い、世のため、人のため」に尽くす公徳心あふれる人材「国士」の養成に取り組んでまいりました。その精神は約14万人に及ぶ卒業生と、現在7学部、10研究科、3附置研究所の教育研究理念に脈々と受け継がれています。 今日、大学を取り巻く環境は厳しさを増しています。グローバル化の進展により、大学は異文化コミュニケーション能力や多様な価値観を体現した人材の養成が求められています。また、18歳人口の継続的減少が始まる「2018年問題」を克服するために、本学が広く受験生に選ばれる大学であることが求められます。本学では特色ある大学の創造、つまり創立者をはじめ先人たちが築き、継承してきた揺るぎない「建学の精神」に基づく教育体系を構築しています。 学長である私の使命は受け継がれてきた「誠意・勤労・見識・気魄」の四徳目を柱とするこの建学の精神を大学のすべてに色濃く反映させると共に、それが息づく取り組みを社会に、そして世界に訴え続けることにあると考えます。 そこで、国士舘建学の精神のさらなる浸透に向け「国士舘教育」(仮称)を学びの基礎としてシステム化することを検討したいと考えています。2015年に公表の「学校法人国士舘中長期事業計画」でも示す「本学の伝統と使命を全学生が共有するための自校史教育」「自らと家族、地域住民を災害から守る防災教育」「本学伝統の武道をはじめ華道・茶道など日本伝統諸道についての教育」の3つの柱に「礼儀の修得」を加え、これらを本学生が備えるべき要諦と位置付けます。 建学の精神は私学存立の根本です。独自性を持ち個性豊かな教育・研究はもとより、教職員の陣容、カリキュラム、課外活動、学生生活にも浸透しているものでなければなりません。国士舘創立100周年の佳節にあたり、次の100年に向けた土台づくりに努めてまいる所存です。

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