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 各学部における教員養成に対する理念・構想

理工学部
 理工学部理工学科の目的は「基礎的で普遍的な理学教育と実践的な工学教育を融合することを教育の基本方針とし、①広い視野と柔軟な思考力、②大局的な判断力、③自ら積極的に問題を発見し、解決のための方策を考える能力、④それを周囲の人々に理解してもらえる表現力、⑤周囲の人々とのコミュニケーションを取りながら実行する能力、⑥職業人としての倫理観を備えた技術者の育成を目的とする。」である。
 教員養成に対する理念、構想は、上記の①から⑥を備えた教員を養成することにある。
 特に、数学・理科・技術・情報・工業の科目を通して、それらの知識が世の中でどのように役に立っているかを教え、それぞれの専門科目の楽しさを広く社会に広める人材の育成に努める。

 理工学科

中学校1種 数学・高等学校1種 数学
中学「数学」・高校「数学」について
 理工学部理工学科において、「中学校1種・高等学校1種 数学」の教育者養成課程を設置する。本課程は、国士舘大学の建学の精神に基づき、総合的な数学の力を持った人材を養成することを目的とする。数学の各分野の基本知識を学ぶとともに、計算力を十分養えるような科目を用意する。
 科目区分「代数学」については、設置科目「線形代数A,B」または「線形代数概論A,B」のいずれかを選択履修させて、線形代数の基本を身につけさせ、「行列論」によって更に高度な理論を展開する。「代数学」において、代数学の総括的な知識を与え、「代数方程式論」において、専門的な内容を講義する。
 科目区分「幾何学」については、設置科目「論理と集合」によって数学的なものの見方を養い、「幾何学」において、幾何学の総括的な知識を与える。「グラフ理論」と「位相空間論」において、より発展的な内容を講義する。
 科目区分「解析学」については、設置科目「解析学」で微分積分を取り上げ、また「級数論」で数列、級数を中心とした解析学の基本を身につけさせる。更に「常微分方程式」、「フーリエ解析」「偏微分方程式」によって、一連の微分方程式に関する内容を講義する。「複素解析」においては、複素関数論の初歩を身につけさせる。
 科目区分「確率論、統計学」については、設置科目「確率論」と「統計学」において確率論と統計学の基本的な事項を十分身につけさせ、統計学の応用部分にも触れさせる。
 科目区分「コンピュータ」については、設置科目「アルゴリズム論」によって、コンピュータの理論的かつ基礎的な部分を理解させ、「情報数学」において実際にコンピュータの実習を行い、理解を深める。
中学校1種 理科・高等学校1種 理科
中学「理科」・高校「理科」について
 中学学習指導要領「理科」の目標は「自然の事物・現象に対する関心や探究心を高め,目的意識をもって観察,実験などを行い,科学的に探究する能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な自然観を育成する。」であり、また高校学習指導要領「理科」の目標は「自然の事物・現象に進んでかかわり,目的意識をもって観察,実験などを行い,科学的に探究する能力の基礎と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め,科学的な見方や考え方を養う。」である。これらの目標を実現する人材の育成を目指して、科目の配置をする。
 1年次から3年次にかけて理科教員として必要な物理・化学・生物・地学の知識を身につけさせる。1年次では物理の科目として総合教育科目に「物理学概論A、B」、専門科目に「基礎化学A、B」、「物理実験」、「化学実験」を配置し、科学の基礎的な知識及び方法を学ぶ。1年次に学んだ物理・化学の知識を基盤として、2年次では専門科目の「生物学A、B」、「地球科学A、B」、「環境科学A、B」、「生物学実験」、「地学実験」により生物・地学分野での基礎的な知識を学ぶ。さらに2年次では専門科目の「基礎電磁気学」、「波動と振動」、「熱・統計力学」、「基礎量子力学」を配置することにより1年次の基礎の上に物理の専門的知識を深化させる。3年次では専門科目の「素粒子と宇宙」等により物理の専門的知識、「原子・分子の科学」、「物質科学」により化学の専門的知識、「生命科学」、「分子生物学」により生物の専門知識、「固体地球物質科学」、「地球惑星発達史」により地学の専門知識を深める。4年次の卒業研究において、科学または応用科学の先端的研究に触れることにより現代科学についての素養を身につける。これらの科目の履修により学習指導要領の目的を授業に具現化することのできる「理科」教員を養成する。
中学校1種 技術
 理工学部理工学科において、中学一種免許(技術)の教育者養成講座を設置する。理工学における「技術」各分野に関する基礎概念を理解し、かつ、本学の建学の精神に基づき、実践的能力とともに社会の構成員としてふさわしい人間性を身につけた人材を養成する。
 科目区分「木材加工」については設置科目「木材加工A」「木材加工B」により、木材加工、素材および設計に関する知識を涵養するとともに木工製作物の設計製図から製作実習に至る一連の流れを実習する。
 科目区分「金属加工」に関しては、設置科目「基礎製図」によって加工・設計に関する知識を涵養するとともに、設置科目「機械設計製図A」「機械設計製図B」で実践的知識を身につけ、設計製図の実習を行う。
 科目区分「機械」については、設置科目「機械工学概論」で機械に関する基礎的知識を身に付け、設置科目「工業熱力学A」で機械の動力とその力学に関し基礎的な学習を行う。また、設置科目「材料力学A」で機械の構造とその力学について学習する。また、設置科目「機械工学実験」によって、各種機械を用いた実習を行い、機械工学に関する理解と体験を深める。
 科目区分「電気」については、設置科目「電気機器A」で電気器械に関する基礎的知識を身に付け、設置科目「計測工学」で、電気機器の動作に不可欠な計測技術について学ぶ。
 科目区分「栽培」については設置科目「栽培」において植物および土壌、生態系、農法について学び、農作業体験を行う。また、設置科目「自然科学(生物系A)」「自然科学(生物系B)」によって生物一般に関する体系的知識を学習する。
 科目区分「情報とコンピュータ」については設置科目「コンピュータリテラシーA」「コンピュータリテラシーB」で、情報工学とコンピュータに関する基礎的な知見を得て、コンピュータ利用技術(リテラシー)を身につける。
高等学校1種 情報
高等学校「情報」について
 理工学部では、「電気・電子・情報工学」の専門性にもとづいた情報の教育養成課程を設置する。
 コンピュータ及び情報処理に関しては「コンピュータ操作演習」「コンピュータリテラシーA/B」で初歩を学び「情報技術者演習A」「コンピュータ工学」などで情報処理技術者の資格も視野に入れ技能を身につける。ネットワークに関しては「放送と情報ネットワーク」「ユビキタスネットワーク」「ものづくり基礎B」で基本的な内容から高度なないようについて習熟する。マルチメディアに関しては「メディアコンテンツ演習」「画像音響処理」「Webデザイン」によって基本的な処理やコンテンツの制作にわたるまで幅広く習得する。
 教職科目の「教職実践演習(中・高)」では、基本的なプレゼンテーションの制作方法の実習、さらには映像編集に関する実践的な内容を提示する。
 個別のプログラミング技能については「スクリプト言語プログラミング」「Cプログラミング」「Cプログラミング入門」「Cプログラミング応用」などで習得する。
 情報システムと社会に関しては「情報社会及び情報倫理」「情報管理」「情報と職業」「情報戦略」「情報ビジネス論」などによって基本的な考え方とより深い内容を習得する。
高等学校1種 工業
高等学校「工業」について
 理工学部では、「機械工学」「電気・電子・情報工学」「建築学」「土木工学・まちづくり」の4分野の専門性にもとづいた工業の教育者養成課程を設置する。
 機械工学分野は、「機械力学A」「流体力学A」「材料力学A」といった分野の基礎となる授業科目に始まり、「設計製作プロジェクトA〜C」などのPBL(Project Based Learning)形式の授業科目などを通じて、総合的なものづくりへの深い理解を身につける科目群である。
 電気・電子・情報工学分野は、「電子情報実験AB」「電磁気学ABと演習」や「回路理論ABと演習」などの基礎的な内容について実験や演習を組み合わせた科目に始まり、「電力工学」などの電気分野、「半導体工学」などの電子分野、「情報技術者演習B」などの情報分野のより専門的な授業科目を学ぶ。
 建築学分野は、「建築構造力学」「建築施工法」「建築構造材料」などの工学的な授業科目に加えて、「デザインの表現AB」「建築実務CAD」「建築スタジオIII」など表現やデザインを学ぶ科目や、「日本建築史AB」「都市デザイン」など、幅広い建築分野の科目を学ぶ。
 土木工学・まちづくり分野は、土木工学分野の「構造力学及び演習AB」「水理学及び演習」「土質力学AB」などの基礎科目から「河川工学」「維持管理工学」などの応用的な科目を学ぶ一方で、「ランドスケープデザイン」「都市美学」「防災まちづくり」などの幅広いまちづくり分野の科目も学ぶ。
 その他、「職業指導」により、生徒の進路指導並びにキャリア教育の推進に係る理論と方法を学ぶ。