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 各学部における教員養成に対する理念・構想

文学部
 本学部の教員養成は、1966(昭和41)年の教職課程の認定以来、長い歴史と伝統を有する。その理念は、本学の教学理念である「活学」に基づき、「誠意(真心)・勤労(実践力)・見識(判断力)・気魂(責任感)」の四徳目を涵養する「人間形成」を根幹としている。
 この理念のもと、専門職としての教員に必要な「豊かな人間性」「教職に対する強い使命感」「教科指導に関する専門的知識と幅広い見識」「実践力」という資質・能力の育成をしていくための教育課程を構築している。
 具体的には、教育学科(中等教育課程・初等教育課程)、史学地理学科、文学科の3学科において、幼一種免・小一種免の初等教員を始め、中一種免(社会・国語・保健体育)・高一種免(地理歴史・公民、国語・保健体育・書道)の中等教員、そして養護教諭一種という多様な教職資格を、各学科の専門性に応じて学生自らの選択のもとに取得することが可能である。
 いずれの学科においても次世代を担う教育者を養成するために、「一人ひとりの顔が見える教育」を重視した少人数教育を実現し、教員と学生が暖かい人間関係を保ちながら、学科の有機的な協力体制のもと、真摯に教育活動を行っている。
 その教育課程においては、以下の四つの点に力点を置いている。それは、幼児・児童・生徒の発達段階を土台にした実践的指導力の育成、自らの資質を向上させ続ける自己教育力の育成、自ら問題を発見し・考え・解決する問題解決力の育成、主体的に動き・粘り強くやり遂げる行動力の育成である。

 ◆教育学科 中等教育課程(教育学コース)

 本コースでは、心と身体と頭の調和のとれた発達を考えるべく、人間形成に関する多彩な科目を設置し、幅広く、かつ専門的に学ぶことが出来る様に構想されている。教育思想、教育制度、教育課程・方法、教育心理学、教育相談、生活指導、特別支援教育、社会科教育学、保健体育科教育学、健康教育学、教育社会学、スポーツ社会学、スポーツ心理学と運動生理学等の領域に専任教員がおり、少人数の演習(ゼミナール)を中心に親身な指導を行っている。その中で、時代や社会の動きをとらえながら、教育の本質とは何かについてじっくり考えることや、人間の心と身体の仕組みおよびその発達について科学的に知ることを目指している。現在は、「人間と教育1・2」(1年次)、「教育学研究」(2年次)、「教育学演習1」(3年次)、「教育学演習2」および「卒業論文」(4年次)を必修・選択必修とし、基礎から専門性へという体系に応じた履修系列が設定されている。
 教員養成という点では、本コースは、いわゆる教職専門科目を柱としつつ、教科専門科目とあわせて構成されており、上記の専門的知識を基底に、自分らしさに応じた教職課程を学ぶことが可能である。これらをとおして、「誠意・勤労・見識・気魄」を涵養し、現代社会を逞しく生きる市民の育成を図っており、これを基盤として教員養成に取り組んでいる。具体的には、中学校社会科、高校地歴科・公民科、中学校・高校保健体育科、養護教諭の教員免許が取得できる。
中学校1種 社会
 文学部共通科目には地理・歴史・倫理に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、多面的・多角的に考察する力を育成している。また、文学部は公民的資質育成を担う教員として相応しい「社会福祉の増進や国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」「社会科・公民科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「社会科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、「時代や社会の動きをとらえながら、教育の本質とは何かについてじっくり考える」ことを目指しており、現代の「平和で民主的な国家・社会」の形成者として必要な公民的資質の育成について、特に「人間形成」という視点からアプローチすることによって、特色ある中学校「社会科」教員の養成を目指している。
高等学校1種 地理歴史
 文学部共通科目には地理・歴史に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、日本と世界の歴史的形成過程と生活・文化の地域的特色について深く学ぶことが出来る。また、文学部は地理歴史科教員として相応しい「国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「地理歴史科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、「時代や社会の動きをとらえながら、教育の本質とは何かについてじっくり考える」ことを目指しており、「我が国及び世界の形成の歴史的過程と生活・文化の地域的特色」について特に「教育」に焦点を当てながら学ぶ。また、現代の「平和で民主的な国家・社会」の形成者として必要な自覚と資質の育成について、特に「人間形成」という視点からアプローチすることによって、特色ある高等学校「地理歴史科」教員の養成を目指している。
高等学校1種 公民
 文学部共通科目には倫理・地理・歴史に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、広い視野から現代社会を主体的に考察する力を育成している。また、文学部は公民的資質育成を担う教員として相応しい「社会福祉の増進や国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・公民科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「公民科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、「時代や社会の動きをとらえながら、教育の本質とは何かについてじっくり考える」ことを目指しており、広く「教育」について学びつつ多彩な選択科目の学習と併せて「広い視野に立って,現代の社会について主体的に考察」し、「理解を深め」ることを目指している。また、現代の「平和で民主的な国家・社会」の有為な形成者として必要な公民的資質の育成について、特に「人間形成」という視点からアプローチすることによって、特色ある高等学校「公民科」教員の養成を目指している。
中学校1種 保健体育・高等学校1種 保健体育
 本コースでは、子どもの発達段階や個性を理解しながら、運動を通して豊かなスポーツライフの実現に向けた良質な指導ができる教員の育成を目指している。
 具体的には、保健体育科教育にかかわる知識・技能の習得をめざした科目群のほか、自然との関わりを通した身体活動の意義やその目的、方法、安全管理を学ぶ実習、子どもや大人、性別や年齢に関わらず、全ての個人の特性に合わせた身体運動をどう考え指導するかといった科目を揃えており、発育発達の段階に即した指導を通して子どもたちを人間として成長させることができる保健体育の教員、子どもたちとともに身体を動かすことで、身体運動やスポーツの楽しさ、喜びを伝えることのできる保健体育の教員の養成を目指している。
養護教諭1種
 本コースにおける養護教諭養成は、文学部が開講する多様な総合科目の履修による幅広い教養と、教育学の包括的な学びをベースに、心理学や看護学等の専門知識・技術を学べるところに特徴がある。教職科目を保健体育や社会科の教職課程履修者とともに4年間学ぶことにより、教員としての自覚と責任感を高め、関係者と連携して子どもの健康問題を解決する能力を磨くことができる。またアクティブラーニングを取り入れた授業や、コース・ゼミの活動等を通して、近年養護教諭に求められている企画力・実行力・調整能力を養う。
 平成27年3月で4期生の卒業を迎えたばかりだが、少人数制ならではのきめ細かな支援により、養護教諭としての採用の実績を着実に重ねている。
特別支援学校教諭1種(知・肢・病)
 本コースにおける特別支援学校教諭免許状取得のためには、基礎免許となる[社会・地理歴史・公民]、[保健体育]などの教職課程を修めなければならない。その上で、知的障害、肢体不自由、病弱などの障害に関する高い見識と指導技術を有し、生徒のより豊かな成長を導くことのできる教員をこころざすことが求められる。
 具体的には、特別支援教育の3領域(知的障害者・肢体不自由者・病弱者)の内容を中心として、生徒一人一人の特性や発達段階に応じた支援を行うための教育学、心理学、福祉学、生理学、病理学などの特別支援学校教諭に必須の基礎的科目を修めなければならない。
 そのために特別支援学校やリハビリテーションの現場での実務経験を有する教員が特別支援教育の専門科目を担当し、知識と技術のバランスのとれた力量形成を目指し、確かな知識を身につけるとともに、実践的指導力を備えた特別支援学校教諭を養成する。

 ◆教育学科 中等教育課程(倫理学コース)

 本コースにおいては、中一種免(社会)・高一種免(地理歴史・公民)を主に教員免許の取得が可能である。本コースの教員養成の目標は、担当科目についての深い学識を有するのみならず「哲学・思想的教養にもとづく調和のとれた思考方法」を身につけた社会科教員を育成することにある。現代社会は価値観が多様化し高度に情報化した社会であり、そこで求められる社会科は、単に知識を与えることを主眼とする教科であるにとどまらず、教員と生徒、生徒と生徒が意見を交わす対話の場を提供する科目でもあると考えるからである。本コースにおいては、古今東西の哲学・思想についての系統的な学びと、発表と討論に重点をおく演習を通じて、社会科教員を目指す学生の「調和のとれた思考能力」を養成することを目指している。
中学校1種 社会
 文学部共通科目には地理・歴史・倫理に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、多面的・多角的に考察する力を育成している。また、文学部は公民的資質育成を担う教員として相応しい「社会福祉の増進や国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」「社会科・公民科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「社会科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、国際感覚と自国文化についての深い理解を兼ね備えた中学校「社会」科教員の養成を目指している。そのために、西洋哲学、キリスト教哲学、そして近年注目されることの多いイスラム文化圏の思想について学ぶことにより国際感覚の育成を図るとともに、日本思想、仏教思想、中国思想についての知見を深めることにより自国文化およびその基盤をなすものについての理解と尊重を促している。
高等学校1種 地理歴史
 文学部共通科目には地理・歴史に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、日本と世界の歴史的形成過程と生活・文化の地域的特色について深く学ぶことが出来る。また、文学部は地理歴史科教員として相応しい「国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「地理歴史科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、時代ごと地域ごとの、哲学・思想、宗教、美術などに深い見識を有する「地理歴史」科教員の養成に努めている。専門科目である「西洋哲学史」「日本思想史」「中国思想史」「仏教思想史」「インド思想史」「イスラム思想史」「宗教学概論」「美学美術史概論」等がそのために有効である。
高等学校1種 公民
 文学部共通科目には倫理・地理・歴史に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、広い視野から現代社会を主体的に考察する力を育成している。また、文学部は公民的資質育成を担う教員として相応しい「社会福祉の増進や国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・公民科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「公民科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、高等学校「公民」のなかでも「倫理」の分野において広く深い知見を有する人材の養成に努めている。本コースにおいては、「仏教思想」「インド思想」「イスラム思想」「中国思想」「日本思想」「ギリシア哲学」「キリスト教哲学」「ドイツ哲学」「フランス哲学」「英米哲学」という10分野を網羅的に学ぶことができ、そのような人材養成のためにとりわけ有効である。

 ◆教育学科 初等教育課程(初等教育コース)

 本コースは、1969年の教職課程の認定以来、一貫して「幼稚園教諭一種・小学校教諭一種」の免許を取得する初等教員養成の伝統を持つ。そしてその長い歴史の中で全国に多くの初等教員を輩出してきた。
 激しく変化する現代社会にあっても、教員養成の不易な根幹である「豊かな人間性」「教職に対する強い情熱と使命感」「指導者としての確かな力量と実践力」の育成を理念とし、教育課程を入門基礎・充実・発展・総合という4つの段階の積み上げで構成している。この理念の実現のために、徹底した少人数指導の下、学生一人ひとりが自らの資質向上に努め、実践的な学びを確かに積み上げられるように配慮している。その蓄積の中で、子どもに対する教育的愛情を培い、子どもの発達についての深い洞察力を身につけられるように実践している。そして、初等教育の専門知識だけでなく幅広い教養を具備し、創造性と協働性を兼ね備える実践的な人材育成に努めている。
小学校1種
 確かな学力、豊かな心、健やかな身体の調和を重視した「生きる力」をはぐくむ重要性が増す中、実践的指導力を持つ初等教員が求められている。幼稚園教諭一種免許・小学校教諭一種免許の取得をめざす本コースの養成課程では、以下に示す6領域から、実践的指導力の確かな蓄積と修得をめざしている。それは、「豊かな人間性を習得する教職基礎、幼児・児童の持つ能力を発揮させる魅力的で効果的な授業実践、確かな幼児・児童理解に立脚して自己指導力を育む生徒指導、個と集団を重視した学級経営、子どもとの豊かな関わりを総合的に実践する現場実習、新しい教育動向を見つめ創造的な教師をめざす探究力とリテラシー」の6領域である。この構成に基づいて、能動的で実学的な4カ年の学びを特色としている。
幼稚園1種
 幼稚園教員をめざす学生の学びを、教育的愛情や熱意、使命感、責任感、及び豊かな教養の修得をめざす「教職基礎」、具体的に保育を構想する力、実践力の修得をめざす「保育実践」、家庭と連携していく力の修得をめざす「生活指導」、学級・学年を経営する力と説明責任能力の修得をめざす「園・学級経営」、遊びを通じて総合的に指導する力の修得をめざす「現場実習」、探究力とリテラシーの修得をめざす「新しい教育動向」の6つの領域から捉えている。
 その特色は、小学校教諭一種免許状と併せて幼稚園教諭一種免許状の取得をめざすことにより、幼稚園と小学校、双方の教育内容を理解し、小学校での生活や学習を見通した上で、幼児期にふさわしい教育について理解を深める点にある。また、少人数の授業の特色をカリキュラム・マップに体系化し、能動的で活動的な学びを通じて実践的指導力を有する幼稚園教員の養成を行う。

 ◆史学地理学科(考古・日本史学コース)

 本コースでは、日本の文化・伝統に基づく歴史学の幅広い専門的知識を活かし、学生の人間性や人間的要求を理解し、適切な教育的指導のできる識見と人格を持った人物の養成を目的としている。文献学研究に偏りがちであった日本史学研究に考古学的視野も入れ、より充実した研究教育体制を整え、さらに新しい歴史教育の構想を進めている。
 本コースは、日本の文化・伝統を重視し、専門教育科目において文献史学と考古学を二つの柱として、研究および教育の充実を図ってきた。さらに、カリキュラムの改革を行い、科目名称の具体化を図るとともに、「日本史のなかのジェンダー」などの総合的科目も設けている。当然こうした試みは、教職課程に対しても意識的に反映され、教育現場において、新しい歴史教育の実践的指導者としての人材養成を企図するものでもある。
中学校1種 社会
 文学部共通科目には地理・歴史・倫理に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、多面的・多角的に考察する力を育成している。また、文学部は公民的資質育成を担う教員として相応しい「社会福祉の増進や国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」「社会科・公民科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「社会科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、日本の文化・伝統に基づく歴史を、日本史の基礎的授業に併せて、原典史料の講読実習や現地における遺物・遺跡の発掘調査実習という実習授業を体験させている。これにより、実践的指導力を習得し、教育現場で活用できる、特色ある中学校「社会科」教員の養成を目指している。
高等学校1種 地理歴史
 文学部共通科目には地理・歴史に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、日本と世界の歴史的形成過程と生活・文化の地域的特色について深く学ぶことが出来る。また、文学部は地理歴史科教員として相応しい「国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「地理歴史科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、日本の文化・伝統に基づく歴史を、より専門的に学ぶために、「文献」と「モノ」による歴史的空間の復元を目指した特色あるカリキュラムを編成している。これらを学習することによって、日本および世界の形成の歴史的過程と生活・文化の地域的特色についての理解と認識を深め、隣接コースの授業を習得することで、専門性を持った、特色ある高等学校「地理歴史科」教員の養成を目指している。

 ◆史学地理学科(東洋史学コース)

 高等学校地歴・中学社会とも資格最低限基準より歴史学分野の単位を多く取得し、原資料(史料)から直接、歴史を考えることを体験し、歴史専門の学科コースで学んだ特色を生かし得るようにする。教員また市民として疑問にぶつかったときに、歴史学専門学科に学んだ者として問題解決を図ることができるように、個々の知識のみならず、各種資料の分析法・研究法を身に付け、将来みずからさらに学習できるようにする。また、現在アジアが激動し、その動きは世界中に連動する。その現在の状況のもとは過去にある。歴史は過去人類のいとなみの総体的結果であるので、その理解は総合的学問である歴史学によらねばならない。アジア史全体、ひいては世界史全体を念頭において人間を理解できるようにする。
中学校1種 社会
 文学部共通科目には地理・歴史・倫理に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、多面的・多角的に考察する力を育成している。また、文学部は公民的資質育成を担う教員として相応しい「社会福祉の増進や国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」「社会科・公民科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「社会科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、上記のうち特に歴史学部門、就中激動が直接日本に大きく及んできたアジア史を中心に、世界史の流れ・諸文化諸文明の特色・歴史についてのさまざまな考え方・歴史学の研究法調査法・他の学問分野との関係、などを学ぶようになっている。
高等学校1種 地理歴史
 文学部共通科目には地理・歴史に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、日本と世界の歴史的形成過程と生活・文化の地域的特色について深く学ぶことが出来る。また、文学部は地理歴史科教員として相応しい「国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「地理歴史科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースでは、上記のうち特に歴史学部門を、アジア史を中心に、世界史の流れ・諸文化諸文明の特色・歴史についてさまざまな考え方・他の学問分野との関係などを学ぶようになっている。歴史の研究法調査法としては、文献史学のみならず考古学や民俗学・文化人類学も学び卒業後も歴史学の研鑽を続けられるよう考慮している。

 ◆史学地理学科(地理・環境コース)

 本コースは、地理学の専門的知識や本コースで身につけた地理的素養を生かし、地理的な見方や考え方を生徒に教育することのできる社会科および地理歴史科教員を養成することを理念とする。
 本コースでは、開設以来一貫して「地理的素養を身につけさせること」すなわち「われわれを取り巻く自然環境や人文環境を空間的広がりのなかでとらえ、理解できる能力を養うこと」を教育目標に置いてきた。空間的な広がりの中には、規則性や方向性、偏りや特異性・例外性、広がりの限界性がある。本コースでは、これらの現象の空間的な広がりの原因やメカニズムを地域調査や地理情報解析等を通して検証する教育を実践してきた。
 このような本コースの幅広い専門教育は、現代世界の地理的な諸課題を考察し、地理的認識や地理的な見方・考え方を培うことを目的とした社会科および地理歴史科の教員養成につながっている。
中学校1種 社会
 文学部共通科目には地理・歴史・倫理に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、多面的・多角的に考察する力を育成している。また、文学部は公民的資質育成を担う教員として相応しい「社会福祉の増進や国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」「社会科・公民科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「社会科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースのカリキュラムでは、日本や世界の地理的事象の地域的特色を学ぶ多彩な科目が配置されている。それぞれの科目の中では、地域の諸事象や地域的特色および課題を、位置や空間的な広がり、地域の規模などとのかかわりのなかでとらえるよう工夫がなされている。また、地理的な空間の現象を分析するための地図、地域調査などを学ぶ科目も充実している。本コースの専門教育は、日本や世界の諸地域に関する地理的認識をもった社会科教員の養成につながっている。
高等学校1種 地理歴史
 文学部共通科目には地理・歴史に関する幅広い科目が設定されており、これらの学習を通して、日本と世界の歴史的形成過程と生活・文化の地域的特色について深く学ぶことが出来る。また、文学部は地理歴史科教員として相応しい「国際社会の進展に寄与できる人材」の養成を目指している。以上を踏まえ、基礎的・理論的な「社会科・地歴科教育論」、模擬授業等を含む実践的な「地理歴史科指導法」を学習し、「教育実習」で理論と実践の往還について学ぶ。
 本コースのカリキュラムでは、自然地理学と人文地理学に含まれるすべての系統地理学、世界の諸地域を対象とした地誌学を学ぶ科目が配置されている。また、地理的な空間の現象を分析するための地図、地域調査、地理情報システムやリモートセンシングなどの地理情報解析ツールを学ぶ科目も充実している。本コースの専門教育は、現代世界の地理的な諸課題に対して、広い視野と理解力をもった地理歴史科教員の養成につながっている。

 ◆文学科(中国語・中国文化コース)

 本コースでは専門知識を生かし、今日の教育問題の本質を洞察し、現在からのみではなく、古典からも考察する力を涵養し、生徒の人間性と人間的欲求を理解して、共に学ぶという姿勢を育むことに努めている。本コースは文学・思想・言語を三つの柱としている。日本古典の漢文という視点から、国語学・国文学の学習にも力を入れており、国語教育に貢献できるように努力している。児童・生徒の豊かな心の涵養の必要性が説かれて久しいが、孔子をはじめとする東洋の偉大な哲学者たちの思想を学ぶことにより、個人の修養についても理解のある教員を養成している。自ら学び自ら考えることが生きる力の根源であるが、文学作品が成立した背景などを調べることにより、そうした力を児童・生徒が自然に身に付けられるような指導ができる教員養成を行っている。書道は実技に力点を置いており、実習を充実させ、教育現場でただちに対応できるように指導している。単なる技巧に走るのではなく、その背景にある理論にも関心を持つように指導している。
中学校1種 国語
 その目標は、(1)目的や場面に応じ、話したり聞いたりする能力を育成することを目標としている。(2)書くことに関しては、目的や意図に応じ、日常生活にかかわることなどについて、構成を考えて的確に書く能力を身に付けさせるとともに、進んで文章を書いて考えをまとめようとする態度を育てている。(3)目的や意図に応じ、様々な本や文章などを読み、内容や要旨を的確にとらえる能力を身に付けさせるとともに、読書を通してものの見方や考え方を広げようとする態度を育てる。その内容は、話すこと・聞くこと・書くこと・読むことであり、そうした中で、伝統的文化や古典に親しませるように指導している。書道に関しては、書くことの指導のなかで書写、特に楷書を書き、文字を整えることを学習させている。
高等学校1種 国語・高等学校1種 書道
 古典に関しては、古文と漢文、古典に関連する作品を読むことによって、我が国の伝統文化に対する理解を深め、古典に親しむリテラシーを育成することを目標としている。現代国語に関しては、近現代の様々な作品を読むことによって、表現能力を高め、ものの見方や考え方を深め、進んで読書することによって、国語力の向上を図ることを目的としている。作品を読んで要旨などを的確に把握する力を、生徒に付けさせるように指導している。

 ◆文学科(日本文学・文化コース)

 本コースで学ぶことにより培われる専門知識を生かし、同時に今日の教育問題の本質を洞察し、真に生徒の人間性と人間的欲求を理解して、適切な教育力を発揮できる識見と人格の養成に努めることを理念とする。こうした理念に基づく指導のもとで、毎年着実に意欲的な学生を教壇に送り続けている。日本文学および日本語学を柱とし、また、書道を日本文化の根幹をなすものの一つとして位置づけて授業カリキュラムを編成、研究と教育の充実を図ってきた。そして、このカリキュラム編成は、設置されている教職課程に意識的に反映され、身につけた専門知識を教育現場において実践的かつ効果的に発揮されるように企図されているものでもある。単なる詰め込み教育ではなく、実際に古典から現代にいたる幅広い時代の多くの文学作品に触れて涵養された精神と、さらにその歴史的・文化的背景を理解することで磨かれた教養とが、教育職に就いた際に、何ものにも代えがたい財産になると確信するゆえんである。
中学校1種 国語
 基本的には、高校一種免と同じ理念・構想であるが、対象が中学生であれば、教員にとっては、「読む」「書く」「話す」といった国語の基本的な能力に対して、より柔軟で尚且つ懇切丁寧な指導力が求められるであろう。本コースにおいて、こうした能力は、とりわけ学生が主体的に授業に参加する3・4年次の専門演習(少人数のゼミナール形式、レジュメ作成・発表・討議を伴う)で実践的に培われることになるが、その他にも、1年生の段階で、比較的少人数の受講者で行う「日本文学・文化入門」という必修科目でも、さらに基礎的なレベルでの指導を実施して、向上に努めている。こうした授業を通して、学生は「国語を適切に表現し理解する能力」が育成されて行くことになる。また、書道科目については、書写を中心とする授業により、書の文化を深く本質的に理解することが企図されている。
高等学校1種 国語・高等学校1種 書道
 本コースのカリキュラムにおいては、日本文学を「上代」「中古」「中世」「近世」「近代」の五つに時代に区分して必修科目の文学史の授業を設置し、そこに「日本語」と「比較・映像」を加えた七つの分野にそれぞれに講読・文化論・演習といった選択必修科目が用意されている。これは、日本文学を網羅的かつ専門的に学ぶことができるように企図されたものであるが、とりわけ、教員を志望する学生には、特定の時代や分野に偏らずに学び、古典にも現代国語にも対応できるような指導を行っている。こうしたコースのカリキュラム理念は、例えば、学習指導要領が目標とする我国の「言語文化に対する関心や理解」を深めて「国語を尊重する」人材を育成することにも大いに資するものである。また、書道科目については、少人数による実習指導の徹底と講義科目の充実によって、「書の伝統と文化」を高次元で理解することのできる教育が行われている。