専攻(コース)の特長
東洋史学専攻(コース)では、アジア全体のなかでも特に東アジアに注目しています。その大きな理由としては、日本が東アジアにあり、昔から現在まで東アジアと深い関係にあったことがあげられます。その東アジアで大きな柱の一つとなってきたのが「中国」です。そこで東洋史学専攻(コース)では、中国史を専門に研究している専任教員のほかに、多くの優れた非常勤講師陣をそろえ、中国史を中心にその古代から現在までの全時代に触れることができるほか、朝鮮半島・北アジア・中央アジアなど中国周辺地域、さらには広くユーラシアの歴史・社会の歴史・社会・文化などについても学ぶことのできるようなカリキュラムを用意しています。
現在の国際社会や日本社会は急激に変貌しているといわれています。こうした時代の流れを背景に、歴史学の本質や課題がどこにあるのかと、広くさまざまな議論が行なわれています。東洋史学専攻(コース)では、流動する現実のさまざまな問題を見据え、過去における人類の歩みを分析・検討した結果を現在から未来に連なる問題に投影するべく、仮説を立て、文献史料に基き客観的に証明することに、歴史学の重要な課題の1つがあると考えています。そのためには基盤となる独自の問題意識を持つことが重要であるとも捉えています。問題それ自体はおろか、その解答例までも与えられることを安易に求めようとする現在の社会一般にみられる風潮に対して強い危惧を覚えているからです。大学院進学希望者をも視野に入れ、独自に史料を蒐集して分析する能力を有する人材の育成を重視していますが、それは同時に、広く社会一般の中で自分自身の問題を見出し、独自に客観的な手順を踏んで自らの解答を模索できる能力を有する人材の育成を目的とするものでもあるのです。
カリキュラムの特長
全時代を網羅する中国史を重点的に。
幅広く東洋史を学ぶ中でも、特に中国史に重点を置き、全時代をカバー。殷代から現代までの全ての時代について、それぞれ専門の先生が多数の科目を開講しています。
北アジア・西アジアも含めた研究。
中国の歴史、思想、文化をメインに、近年、注目が高まっている朝鮮半島や北アジア・西アジアなどの周辺地域についても学び、広いユーラシアの視野から歴史に対する問題意識を養っていきます。
1年次から漢文読解力を養成します。
中国史の分析・検討のため、史料の読解に欠かせない漢文文献の講読に1年次から取り組みます。しっかり基礎力をつけることを目指すので、これから学び始める人でも安心です。
研修で博物館・史跡めぐり。
教室での講義や演習だけでなく、学外研修として、実際に博物館で貴重な史料を見学したり、各地に残る重要な史跡を訪ねる体験学習も積極的に行います。