教育・研究活動

教育・研究事業に関するお知らせ

戻る

2020年11月26日

彬子女王殿下による特別講義(第3回)が行われました

本学人文科学研究科客員教授の彬子女王殿下による特別講義が10月29日にオンラインで行われ、彬子女王殿下は、人文科学研究科および文学部の学生と教職員約80人に「和装から洋装へ~明治宮廷の選択」と題して約1時間、ご講義をなさいました。

ご講義に先立ち佐藤圭一学長はあいさつで、過去2回のご講義を振り返った後、「今回は皇室の装いの変遷を通して、近代化を目指した我が国の独自性を学ぶまたとない機会」と述べました。

 

ご講義で彬子女王殿下はまず、明治時代日本が西洋諸国と並び立つ国であることを示すために服の洋装化に着手し、その動きに大きく貢献した人物として、明治天皇の皇后である昭憲皇太后を御紹介になりました。昭憲皇太后は、袴を伴わない着物を、上衣だけあって下衣のない不備のある服装とし、「思召書(おぼしめし)書」を通じて女性の洋装化を推奨されました。外国人宮内官や医師からは、着物という日本の美しい文化を守ることを求める意見もありましたが、明治以降社交界に出ることが求められるようになった女性皇族にとって、動きやすく洋装の男性と釣り合う服装が必要との思いで、洋装化は進められました。彬子女王殿下は、思召書の文面や当時の女性皇族の写真、洋装化に対する賛否の意見などを示されながら御説明になり、現在につながることとして、「昭憲皇太后は当時、洋服の素材は国産を使い殖産興業の推進につなげるよう喚起された。これは現在にも引き継がれており、皇族の服は国産の生地を使用しているものも多い」と述べられました。さらに、大礼服、中礼服、小礼服、通常礼服といった当時定められた服制についても、写真を交えて御紹介になりました。

次に彬子女王殿下は、明治以降続いた服制が揺らいだ昭和について話をお進めになりました。戦争による「洋服は贅沢」との国民意識に考慮し、和服の反物を使って作られた「宮廷服」が生まれたことを御説明になり、「宮廷服にパンプスを合わせた写真から、宮廷服はあくまでも洋装と捉えていたことがわかる」と解説されました。

最後に、戦後服装令が撤廃され現在の服制になった後は、その場に適した服装について皇后陛下や妃殿下方が相談して決定しているとされた上で、彬子女王殿下は「平成以降も洋装が格として上なのは変わらないが、和装も公の場で着られるようになり、時代に即した新しい皇室の姿が見て取れる。途絶えた伝統と復活した伝統が皇室に脈々と受け継がれている。次の世代に引き継いでいくのが私たちの使命」と締めくくられました。

 

質疑応答では、学生からの「洋装化された後の女性皇族の方々の古式和装への思いは」との質問に対し、彬子女王殿下は「一つのことを変えるのに多くの手順が必要な宮廷にあって、抵抗もある中で未来の女性のために洋装化を進めた昭憲皇太后の勇気と先見の明に、感謝の思いがある」とお答えになりました。

当日は自宅での受講に加え、世田谷キャンパスに2会場を設置し、本学教職員のほか対面授業のためにキャンパスに入構していた学生が教室でご講義に耳を傾けました。

  • リモートでご講義をなさる彬子女王殿下リモートでご講義をなさる彬子女王殿下
  • 佐藤圭一学長によるあいさつ佐藤圭一学長によるあいさつ
  • 質疑応答の様子質疑応答の様子
  • キャンパスで受講した学生らキャンパスで受講した学生ら
彬子女王殿下の関連記事
彬子女王殿下の関連記事

■国士舘創立100周年記念式典・祝賀会を挙行しました(2017年11月22日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/alumni/news/details_11044.html

 

■彬子女王殿下、本学大学院人文科学研究科客員教授にご就任(2018年4月20日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_11634.html

 

■彬子女王殿下に名誉博士学位を贈呈(2018年11月9日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_12451.html

 

■彬子女王殿下による特別講義が行われました(2018年11月9日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_12439.html

 

■彬子女王殿下による特別講義(第2回)が行われました(2019年11月8日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_14014.html

Kaede-i

Office365 Webメール

教職員専用リンク

国士舘大学の魅力ある教員・研究者を紹介します!

2024年03月05日更新

デジタル社会の「読み・書き・そろばん」にあたる「数理・データサイエンス・AI」の基礎などの必要な力を身に付けられるように、全学部で『AI・データサイエンス教育プログラム』を設けています。

国士舘のスポーツ情報オフィシャルサイトです。駅伝、野球、柔道といったクラブ紹介をはじめ、試合日程や結果など、最新の活動状況を随時配信しています。

国士舘大学は2017年に創立100周年を迎えました。創立100周年記念事業サイトでは事業の概要や国士舘のあゆみを紹介しています。

前へ
次へ
国士舘の魅力を紹介します。

ページの先頭へ