国士舘大学キャンパス手帳2019
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国士舘大学 学長 佐藤 圭一学長 からのメッセージ新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。教職員一同心より歓迎いたします。国士舘は創立100年を超える歴史ある学園です。国士舘が創立された頃、大正6(1917)年の時代背景を少し追ってみましょう。日露戦争(明治37-38年)に勝利した日本には、日本の歴史に類例を見ない異様な光景が出現していました。狂乱化した物質至上主義が渦巻いていたのです。成金・金権体質が大手を振るっていた時代です。米の買い占め、売り惜しみによる米問屋の焼き討ち事件も全国規模で相次ぎました。所得格差が拡大し、その改善を求める運動が各地で起こったのでした。創立者である柴田德次郎先生は、日本の行く末に危機感を覚え、わが国が培ってきた精神文化の復興を志して、「私塾國士館」を設立したのです。建学の精神でもある「誠意・勤労・見識・気魄」の四徳目は、愚直なまでに誠心誠意を尽くす勤勉な日本人を表現したものです。国士舘大学の教育理念は「国を思い、世のため、人のために尽くせる人材『国士』の養成」ですが、それは私欲を抑え、利他を願う“公徳心”溢れる日本人の心の継承を意味します。国士舘の建学の精神は、時空を超えて“日本人の精神的支柱”を形成する普遍性を持つものなのです。ただし、われわれも、そうした日本人の心でもある国士舘精神を継承するためには日々の努力を怠ることはできません。大学生活の4年間は“人生の宝物”です。勉学、部活、旅行、ボランティア、アルバイト…。全て自分の意思で決めて行動することができます。これほど贅沢で、夢のある時期を卒業後に期待することは不可能です。ですが、この4年間は“光陰矢の如し”、瞬く間に過ぎ去ります。この4年間を有意義に過ごして頂くためにお願いがあります。1つは、卒業後の目標(就職)を可能な限り早く設定することです。国士舘大学にはそれをサポートする陣容と、各種各様の機能・施設が整備されていますので、それを最大限に活用することです。2つ目は、教養を身につけることです。グローバル化の現代は「課題解決型」の人材が求められています。心身共に逆境に耐え、真贋を見抜き、自分と思考形態が違う相手を受入れ、妥協点を見出す能力(良識)が必要です。専門知識だけではとても解決できません。判断の基礎となる活きた教養こそが対応を可能とします。専門分野に捉われない幅広い科目履修、図書館とメディアの活用、不断の「読書・体験・反省」を実践し、「思索」する日々の努力が求められます。4年後の卒業時には“夢が達成”されますことを祈り、この4年間を皆さんと共に歩んで行きたいと思います。最後に、2020年東京オリンピック・パラリンピックでは競技施設が全面禁煙になります。喫煙に伴う健康被害の除去は、国民が一体となって進めなければならない重要課題です。学生と教職員の健康を守るため、全面禁煙に向けた取り組みを始めています。“百害あって一利なし”です。タバコの害悪を認識しましょう。

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