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授業ルポ

物理学の知識および方法論を習得するためには、実験を行い具体的な現象に接することで得られる経験はとても貴重なものである。この物理実験の授業は、実験を通して現象の本質を理解することを目的としている。

実験はさらに続く。最後に紹介する実験は、エネルギーの変換効率を知ってもらうというもの。
自然界には、運動エネルギー、熱エネルギー、位置エネルギー、電気エネルギー、化学エネルギー、光エネルギーなどさまざまな形のエネルギーが存在しているが、これらのエネルギーを使いやすい形に変換して利用している。一つのエネルギーを他のエネルギーに変換するときに100%の効率で変換することは不可能なのだという。そのことを実験によって理解するというもの。

実際に学生は自転車をこいで、お湯を沸かす体験をしていく。どれだけの運動(仕事)をするとお湯が沸くのかを知るための実験である。
自転車をこぐという運動エネルギーを、まず電気エネルギーとして変換する。その電気エネルギーはヒーターを加熱させ、熱エネルギーを生み、お湯を沸かせることができるのだ。
この実験では、発電機の付いた自転車を一定速度で8分から10分こぎ続けると、コップ一杯の水が60度程度のお湯になることがわかった。ぬるま湯を沸かすために、学生は息も切れ切れになるほど自転車をこいだ。普段何気なく使っている電気の貴重さを十分に理解できる。
この実験は、学生に人気の実験なのだそうだ。測定装置のデータを読み取るだけの実験よりも、自らが行い実感できる実験であるため、理解度が深まるからなのかもしれない。

「物理学は、理論の予測と実験結果を比較検討することが大切です。実験結果が理論と合わないからといって、データを無視しては何も意味がないのです。実験結果が現象について、何を語っているのかを考えることが大切です。地味で面倒な実験もありますが、そこから自然現象の法則性が見えてくるはずです」と関口教授は言う。
この物理実験という授業は、学生たちにとって日ごろ経験のできない大変貴重な授業となった。