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授業ルポ

設計演習のまとめとして商業建築を設計する授業。クライアントとなる企業からの依頼に対し、与えられた条件を満たす建築物を設計し、図面、模型を作ってプレゼンテーションを行う。

そしていよいよ、講評会当日。
会場は、銀座にあるINAXショールーム。ここに学生たちが作製したパネルと模型が展示されている。1週間ほどの一般向けの展示期間があり、講評会はその最終日に行われた。
国広教授をはじめとした国士舘大学の教員と学生たち、そしてINAXショールームの館長や開発部のデザイナーたちに囲まれ、国士舘大学とテンプル大学ジャパン校の学生たちが、1人ずつ発表していく。学生1人の発表時間は、質疑応答を含めて4~5分程度。その中で自分の思いを伝えなければならない。

「ショールームの部分は他よりも天井を高めにして、中の空間を広めにとるようにデザインしました」
「オフィスの入り口を地下にして、上階に行くときにショールームを通ることで、ショールームにどれくらい人がいるのかなど、状況を把握できるように設計しました」
学生たちは緊張しながらも、自分の考えたショールームの形を伝えようと、身振り手振りを交えて語りかけた。

テンプル大学の学生が発表するときには国広教授が通訳し、すべての学生の発表を終了。
学生それぞれの発表に対し、その都度、教員陣やクライアントから、さまざまな質問が投げかけられた。
「コンセプトはいいと思う。ただ、今のデザインだとレンタル・オフィスの動線とショールームに来た人の動線がいっしょになってしまうと思いませんか?」
「この壁の構造は、どんなイメージで作ったの? 鉄骨で作るの?」
学生たちは、質問に対して自分のイメージや、なぜそういう構造にしたのかを説明する。クライアントであるINAXからは、企業部分とショールームを隣接させた設計は、情報漏えいの危険があるので難しいなど、企業としての視点、利用する立場ならではの厳しい意見も出ていた。

全員の発表の後、懇親会を行い、この授業は終了した。9月からの準備を経て、無事に発表を終えた達成感からか、どの学生の表情も晴々としたものだった。
国広教授は、今回のような講評会を経験することで、自身のコミュニケーション能力を磨いてほしいと話す。これは、就職した後、設計の現場に自分の思いを伝えることにも繋がる。
「デザインというものは、1+1=2ではないのです。3にも4にも10にもなる。学生たちは、1+1=10となることを発表して、クライアントを納得させなければならない。それがプレゼン能力であり、コミュニケーション能力なんです」
相手に自分のイメージを的確に伝えられるようになる。そのコミュニケーション能力を培うことは、自分の描く設計を実現するための大きな一歩となるのだろう。