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授業ルポ

水難事故(プール)における事故を理解し、救急救命士として水難事故における危険予測、自己防衛方法、救助方法を理解、習得していく。

町田キャンパスにあるプールにて夏期に集中して行われた「体育方法学・実習(水難救助・プール)」という授業は体育学部スポーツ医科学科で学ぶ1年生を対象としている。将来、救命医療の現場で、救急救命士として救急車などに乗車したり、ライフセーバーとして人命救助に関わっていくことを志している。

「日本人は子どもの頃から学校の授業などで泳ぎ方を教わってきているため、泳ぎができる人は多い。しかし、水難事故に遭った場合、一番大切なことは“浮く”ことなんです」と、以前、救急救命士として救命活動の現場を経験したこともある中山先生は語る。
「海外では、泳ぎ方の前にまず浮くことを教えるそうです。実際に水難事故に遭った場合、服を着ている場合もある。服を着たまま泳ぐことが、とても危険だということがわかるでしょう。そういう場合は、まず浮くことが重要なんです」と教えてくれた。
これから学生たちは、泳ぎの得意な学生も、そうでない学生も、まず水に浮く訓練をしていくという。
また、この水難訓練の授業では、2人1組でチーム分けがされている。プールから上がったら必ず相方(バディー)がいるか確認することを習慣づけているのだ。これも、水難救助訓練においては重要な要素となる。自分の存在を常に見ていてくれる仲間と行動するからこそ、お互いに信頼し合って訓練にも集中できるのだろう。

訓練に入る前、前出したとおり、水難事故では浮き方を知らないために命を落とすことが非常に多いことを中山先生は学生たちに教える。
浮き方には「サバイバルフローティング」「背浮」「立泳ぎ」といくつかの浮き方がある。
浮くときに一番大切なことは、体力を消耗せずに長い間浮いていることだ。無理に泳いで体力を消耗したり、また、体温を奪われて体が動かなくならないように、なるべくじっと浮くのだ。学生たちはプール一面に広がり、じっと水中で浮いていることだけに集中する。自分たちが習得できてこそ、将来、人に教えていけるというものだ。
(※写真は、サバイバルフローティング(上)と、背浮(下)という浮き方の方法)

浮き方の訓練が終わると、今度は「着泳」の訓練となる。着泳とは、洋服を着たまま水に入って泳いだり、また服を着たまま浮くことを体験するのだ。
学生たちは普段着ている服をこの日のために用意してきたようだ。シャツにジーパン、そしてスニーカーと着替えを済ませると、各自プールに入り、まず普通に泳いでみる。手足が自由にならずに皆かなり苦戦している。服を着ている時は「平泳ぎ」や「エレメンタリーバックストローク」という泳ぎ方が有効のようだ。
次に、服を着たまま「サバイバルフローティング」の態勢で浮く訓練に入る。服を着ていても、水着の時と同じように浮くことができている。こうして、じっと浮きながら救助が来るのを待つのだ。また、浮くだけであれば、服や靴は浮力をもっており、浮く手助けにもなるのだ。しかし、一つ注意すべき点として、ゴム底のスニーカーは逆に沈んでしまう場合もあるので、その場合は、靴を脱いでしまった方がいいということもあるようだ。

この水難救助プール編の授業が終わると、次のステップとして今度は、海や河川の水難事故を想定した訓練を行っていく。合宿をしながら、実際の海や川でも訓練をしていくカリキュラムが続く。
学生たちは、実際に訓練をしながら、危険予測能力、救助方法、連携要領、応急処置方法などを身に付けていく。