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授業ルポ

2008年度に新設された授業で、文学部日本文学・文化専攻を担当する教員6名が交代しながら、自分の専門の分野をオムニバス形式で講義する。今年度のテーマは、中古、中世、近世、近代の文学、書道と、ここで紹介する日本語学だ。

この日の講義のテーマは、「方言」。授業の冒頭、地域ごとの言葉の違いに入る前に、大阪生まれ大阪育ちの中村准教授は、自ら感じた大阪と東京の文化の違いについて話し始めた。
中村准教授が東京に出てきたのは約3年半前。大阪と東京の言葉の違いは知っていたものの、文化の違いに驚かされることが多かったという。特に食文化の違いは、中村准教授曰く、「なんでやねん! と思うことだらけ」。関西では、カレーや肉じゃがの肉には牛肉を使うのが普通で、関東では豚肉のほうが一般的であることには、特に驚いたという。さらに、給料日など特別な日になると、牛肉になったりするのも信じられなかったそうだ。関西では料理ごとに使う肉が決まっていて、懐具合によって使う肉が変わるというのは「ありえへんこと」らしい。
「コンビニで売っている中華まんじゅう、みなさんは“肉まん”といいますよね? あれ、関西では肉まんとは言わないのです。なぜかというと、関西では肉といえば牛、花といえば桜、というように決まっていまして、あれは豚を使っているので、肉まんとは呼べない。 “豚まん”なのです」。雑談かと思えた中村准教授の話が、いつの間にか東西の言葉の違いに展開していった。

アホとバカ。どちらも、あまりきれいな言葉ではではないが、関西ではアホ、関東ではバカを多用する。関東の人が他人から「アホ」と言われるとかなり落ち込むが、関西人にとってはそうでもないらしい。「関西人の場合、アホという言葉を、“馬鹿な人”という意味で使うより、むしろ親愛の情、“こいつはあかんけど、しゃあないやつやな”という気持ちで使うことが多いんです。

でも、関東人にはそれが伝わらないみたいで、相手から罵倒されているように受け取ってしまう」と中村准教授。さらに続いた「本当に罵倒する場合には“ドアホ”を使います」という言葉に、教室は笑いに包まれた。
なお、関西のあるテレビ番組が行った調査結果によると、近畿地方では「アホ」、その他の地域では「バカ」を多用するそうだ。

「アホ」「バカ」以外にも、東西で表現が異なる言葉はたくさんある。例えば、「おる」と「いる」、「むつかしい」と「むずかしい」などだ。「これらは、日本海側では糸魚川、太平洋側では浜名湖付近で分かれることから糸魚川浜名湖線と呼ばれています」。
ちなみに、「なおす」という言葉は、関東では“修理する”という意味だが、関西では“片付ける”という意味で使われており、同じ語でも意味が東西で違うというパターンもあるから注意が必要だ。