グローバルナビゲーション
現在閲覧中のページ
ホーム > 授業ルポ > 中国語・中国文学専攻 > 名跡鑑賞
ここから本文です
授業ルポ

中国の書芸術の名跡を鑑賞し、書の表現様態を知るとともに、書体や書風の変遷を理解していく。書においては、臨書(りんしょ=手本を見てその書法を再現的に学びとること)は、古典を鑑賞する上で有効な方法となるので、授業では臨書を併用するのが特徴。

この授業では、中国と日本の書の名跡を中心に鑑賞しながら、「書の表現とは何か?」という切り口で、漢字の展開を見ていく。
内村教授による文字解説から、文字に興味、関心を持ち、歴史的位置付けを理解していくと同時に、文字を実際に書いて書の基本的な用筆、運筆、結構をも習得していく。書の古典を鑑賞するには、臨書は有効な方法となる。
漢字は、亀甲獣骨に刻まれた文字、青銅器に鋳造された文字(金文)、石に刻まれた文字(碑・墓誌銘・造像記)、木や竹の簡に書かれた文字(木簡・竹簡)、紙や絹に書かれた文字などがあり、書体も時代とともに篆書(てんしょ)体、隷書(れいしょ)体、草書(そうしょ)体、行書(ぎょうしょ)体、楷書(かいしょ)体と変遷してきた。

今回の授業では、隷書体について学んでいく。
はじめに内村教授から隷書体の解説が行われる。「隷書体とは、前漢の時代から使われだした書体の一種です。篆書体と同様、水平・垂直が基本となる書体で、書くときは筆を立て、一画一画をはっきりと書いていくのがポイントです」。
解説が終わると、次は隷書体の臨書となる手本(原跡のコピー)の説明。今回手本として扱うのは、「魯孝王刻石(ろこうおうこくせき)」と「萊子候刻石(らいしこうこくせき)」という2つの刻石。刻石とは、文字を石に刻したものを指す。
内村教授がこれらの刻石について解説をし、学生が隷書体を実際に書いていく。

まず内村教授が、隷書体の特徴や書き方のポイントを説明しながら、手本を数点書いていく。内村教授のアドバイスは端的でわかりやすい。
「日ごろ、私たちは右肩上がりの楷書体を書きなれているため、隷書体の特徴である水平に書くためには、心持ち右肩下がりに書くように意識するとよいでしょう」と、内村教授は学生たちに教える。
そして、もう一つ。書き方の特徴として、「逆入」という書き方をする。逆入とは、書の用筆法の一つで、起筆のとき、筆を進行方向の逆から入れることで、力を蓄えて書くことができるようになるという。
書を書くときは何を注意して書けばいいのかと内村教授に尋ねると、「書は余白を活かすことが大切。文字の形をよく見て、その形をつくり出している用筆を真似ることは書を学習する基本だが、文字の形の特徴をとらえるためにも余白の形・大きさに注意するとよいでしょう。余白に対する感性を育てることが大切です」と話す。名跡といわれる書は余白が澄んで、宇宙空間のような奥行きをもっているそうだ。
学生たちは内村教授の書いた手本を見ながら、実際に隷書体を書き、教授の添削を受けながら、文字の歴史的な位置付け、特徴などをつかんでいく。