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授業ルポ
都市を経済的・社会的側面からとらえ、研究していく講義。定義、理論などには、多少数学的な要素も含まれる場合もあるが、文学部の学生を対象とした授業であるため、分析よりも主に都市地理学的な考え方の修得を重視している。
ここで加藤准教授はある数式をプロジェクターに映し出した。
| Pr= | P1 |
| rq |
r=都市の順位
Pr=順位rの都市の人口
P1=最大都市人口
q=一般的には1.0に近い値を持つ指数
上記の式を使うと、それぞれの国のある順位の都市の人口がわかるというものである。日本でいえば東京を1000万人の人口とすると、2番目が500万人、3番目が330万人ぐらいになる。実際に2番目の横浜市が約370万人、3番目の大阪が約270万人程度だから、そこそこ目安になる数式といえるだろう。このように、数式がきれいに当てはまる場合を順位・規模法則パターン(ランクサイズ・パターン)という。
ただ、世界にはたくさんの国があり、この数式に当てはまらないケースもある。代表的パターンとしては、上位2つの都市がほぼ同じ規模をもつポリーナリィ・パターン、1位の都市が突出していて、2位以下は順位・規模法則パターンに近いプライメイト・パターンなどだ。
加藤准教授は、このうちポリーナリィ・パターンの国について、具体例を挙げた。「カナダの1位と2位の大都市が分かる人?」と加藤准教授が学生たちに問いかけると、学生たちは「トロント」「バンクーバー」「モントリオール」といった都市名を答えた。「正解は、トロントとモントリオール。カナダは英語とフランス語が公用語になっていますが、その英語圏のトップとフランス語圏のトップが強力なツートップになっています。ただ近年はモントリオールの人口が伸びなやみ、トロントは増加傾向にあり、ポリーナリィ・パターンとは呼べなくなっています」
また、中国の場合は上海の拡大により、今後、順位・規模法則パターンからポリナリー・パターンに移行するかもしれないという。
続いて、プライメイト・パターンの例としてタイが取り上げられた。「タイで一番大きい都市はどこ?」「バンコクです」「正解。バンコクの人口は’90年代の資料で約600万人です。ちなみに、タイで2番目の都市は30万人となっていますが、この都市はどこでしょう?」学生たちから「チェンマイじゃないの?」「アユタヤ?」といった声が聞こえたが、どちらも違う。正解は、サムットプラカン。ちなみに3位はナコンラッチャシマ。地理を学ぶ学生たちであっても、さすがにほぼ全員が初めて聞いたという表情……。
「せっかく出てきた地名ですから、場所を覚えてから帰りましょう」と、地図で場所をチェック。どちらもバンコクのそばにある都市であることを確認し、この日の授業は終了した。高度な理論だけでなく、こうした世界の地理についてのちょっとした知識を得られるのも、この授業の魅力なのだ。