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授業ルポ

地理・環境専攻

都市空間と社会 -vol.1-

都市空間と社会 -vol.1-

都市を経済的・社会的側面からとらえ、研究していく講義。定義、理論などには、多少数学的な要素も含まれる場合もあるが、文学部の学生を対象とした授業であるため、分析よりも主に都市地理学的な考え方の修得を重視している。

都市機能の規模と分布

世界どこでも、多くの人間が住む場所には都市があり、大都市から小都市まで、その規模や特徴はさまざまである。今回の授業では、そんな都市の階層について学んでいく。
加藤准教授は、まず都市機能の規模とその分布について研究したクリスタラーとレッシュという2人のドイツ人地理学者について取り上げ、彼らが発表した学説について解説を始めた。クリスタラーもレッシュも、「財は全て中心地から供給され、その種類・数によって、中心性が決まる」という点ではほぼ一致しているものの、クリスタラーが「階層が上位の中心地は下位の中心地が持つ(供給する)財はすべて持つ」というのに対し、レッシュは「必ずしも上位の都市が下位の都市の財をすべて持つとは限らない」と主張した点が違っているという。
この説明だけではやや理解が難しいが、加藤准教授は東京の銀座を例に出し、「銀座は大きい都市だから、すべての店があるというのがクリスタラー。一方、大きいからといって、すべての店があるというのはおかしいというのがレッシュ。実際、電器屋さんや宝石屋さんや洋服屋さんはあるけれど、八百屋さんや肉屋さんはあまり見かけないですよね」とわかりやすい説明を加えた。

プレッドの場合

続いて、インターネットが普及する前の時代における技術革新の広がり方などについて研究したアメリカ人地理学者・プレッドについての解説が行われた。彼は、クリスタラーが定義した「大都市→中都市→小都市」という、まるで軍隊の命令指揮系統のような結合関係を否定し、小都市同士の水平的な結合など、もっと複雑な結合関係があることを定義した。
ここで加藤准教授は学生たちに問いかける。「でも、プレッドの定義を日本に置き換えると違和感がありませんか?」
確かに、東京を介さずに仙台と大阪が結ばれるというのはあまりないシチュエーションに思える。「日本の場合は、すべて東京に情報が集まり、地方に分散していくという形ができあがっている。その意味ではクリスタラー的な都市階層と言っていいでしょうね」

都市のランク=ギリシャ料理店の数?

では、そもそも都市のランクとはどういうもので、その分布はどうなっているのだろうか。
都市のランクが高いというのは、普通に考えれば、学校や病院などの中心機能、あるいは工場や会社の数が多いことを意味するように思える。しかしそれだけでもないのだ。
「都市のランクは、中心機能の数のほか、業種の数で計ることもできます。例えば、ギリシャ料理を地方で食べることはなかなか難しい。理由は簡単で、東京ではたまに食べたい人を相手に商売できますが、地方ではその絶対数が少ないから儲けを出すことが難しいですよね」。このように考えると、都市のランクは人口の数とも非常に密接な関係にあることがわかってくる。

講義情報

この講義の担当は…
加藤 幸治
この講義の関連情報
シラバス(対象:地理・2・3・4年、地理環境2・3・4年 春期)