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授業ルポ

考古・日本史学専攻

近代史料を読む1

近代史料を読む1

近代日本の基礎史料を対象として、近代史をより深く理解することを目的としている。具体的には、歴史史料を直接読みこむことによって、忠実に意味を受け取り、そこから各自が問題を組み立てていく能力を身につけることがこの授業の大きなポイントとなる。

近代日本を理解するために

この授業は、2年生が対象となる。
3年から行われるゼミの前の模擬演習のようでもあり、ゼミ形式のスタイルで行われる。
「近代史料を読む」という授業名からもわかるように、幕末・維新期の政治・外交に関わる史料集である〔歴史学研究会編『日本史史料〔4〕近代』(岩波書店刊)]を使い近代日本史を読み解いていく。
半年間の授業内容は、嘉永6年(1853年)のペリーの黒船来航から始まり、明治6年(1873年)の征韓論政変から佐賀の乱、西南戦争のころまでを扱う。

勝田教授は、毎回授業で扱う史料を学生たちに分担し担当を決める。学生たちは自分の担当する史料を調べて、それぞれ読みこんでくる必要がある。
このころの史料はいわゆる漢文史料ではない。「之つかまつり候」などというように、元々の漢文を読み下したように書く候文(※)で書かれている。
授業が始まると担当する学生は史料の原文を音読していく。その途中で読み方、意味、時代背景などを勝田教授が付け加えていく。
「史料が原文でまとめられていますので、漢和辞典などを調べないとわからないこともありますから、予習はとても大事です。それでもわからない読み方などもありますから、それを授業で読むことで、全員で正しい読み方、そして意味を知ることで、正しい史料認識を共有していきます」と勝田教授は授業で史料を読む意味を説明する。

候文(そうろうぶん)とは、中世から近代にかけて用いられた日本語の文体である。江戸時代には、幕政関係・藩政関係の公的文書などの公文書などのほとんどがこの文体で書かれている。

史料を正しく読むことは歴史研究の基本

今回の授業では、安政5年(1858年)に日本とアメリカの間で調印された日米修好通商条約の条約史料と、文久2年(1862年)に起こった徳川幕府老中、安藤信正暗殺未遂事件である坂下門外の変に関する史料を中心に読まれた。

担当の学生が日米修好通商条約の条文を原文で読み下していく。読み進めていきながら、漢字の読み方に間違えがあれば勝田教授が、その都度正していく。
漢字には、いろいろな読み方があるが、正しく読めなければ、正しい意味もわからなくなってしまうからだ。つまり、正しい意味を理解するためには、まず史料がきちんと読めるということが大きなポイントになる。
また、同じ言葉であっても、現在使われている言葉と、当時使われていた言葉とでは意味合いが違う場合もあるようだ。
あくまでも史料が書かれた当時は、どういう意味合いで使われていたのか、史料から忠実に意味を受け取ることがこの授業では大きな意味を持つ。

日本史を学んでいく上で大切なこと

勝田教授に日本史を学ぶ上でのポイントをお尋ねしたところ、「私の歴史の見方なのですが…」と前置きをした上で、「まず史料を正確に読みとるということが大切」だと言う。その史料が書かれた時代に、史料は何を伝えているのか? 何が書かれているのかを正確に読みとることができて、まず歴史研究の出発点に立てるということなのだろう。
そして、もう一点「読み手の私情や、現代の感覚で善悪をつけて歴史史料を捉えてはいけない。とにかく書いてあるものを忠実に読み解いていくことが重要」とも話す。
正確に読み解いた史料から歴史を見ていくということが歴史研究には必要なことなのだ。

講義情報

この講義の担当は…
勝田 政治
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