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授業ルポ

教育学専攻

人格心理学 vol.1

人格心理学 vol.1

人格心理学の理論や現在の心理学の動向などについて解説する授業。心理学の理論を知識として学ぶだけでなく、自分の生活の中で検証し、活かす方法を学んでいく。

心理学を学ぶとはどういうこと?

「心理学は『知る』だけでなく、『測る』ことができないとダメなんです」
そう話すのは、「人格心理学」の授業を担当する西野泰広教授。西野教授は、“心理学を学ぶ”ことの意味について、こう説明する。
「例えば、心理学の観点から「頭が良い」とはどういうことなのかを考えたとき、本にこう書かれていた、誰かがこう言っていたというものは答えになりません。「頭が良い」ことを測れなければならないのです。つまり、自分が「頭が良い」であろうと考える人にテストを受けてもらい、その結果と自分の予想を照らし合わせ、考察することが心理学を学ぶということなのです」

エゴ(自我)とイド・エス

この日の「人格心理学」の授業は、「精神分析」についての説明から始まった。西野教授は海に浮かぶ流氷のような絵を描き、人間の心理について解説する。
「この絵を人の心理だと考えると、海面上の部分が目に見える世界、海面下の部分が見えない世界になります。そして、見える世界のボスを『エゴ(自我)』、見えない世界のボスを『イド』や『エス』といいます」
『エゴ(自我)』と『イド・エス』――この2つの働きは対照的だ。
人の心に「今日の授業は眠たいから、休んでしまおう」と呼びかけるのが、快楽原理を司る『イド・エス』の働きであり、「眠いけれど、授業は受けなければならないから出席しよう」、そう呼びかけるのが現実原理を司る『エゴ(自我)』の働きである。
「ボス同士は、どの世界でも争います。その結果、『エゴ(自我)』が勝った人は授業に出席し、『イド・エス』が勝った人は欠席したんですね。『エゴ(自我)』と『イド・エス』は、こうやっていつも戦争しているんです」

精神分析療法とは何か

しかし、図を見ると“見えない世界”は“見える世界”に比べてはるかに大きく、力学的に考えれば“見えない世界”の力が勝ってしまうように見える。
「現実世界では、『エゴ(自我)』が『イド・エス』を抑え込もうとします。これを心理学用語で『抑圧』といいます。ただ、『イド・エス』を抑圧し続けていると、その反動が出てくるんですね。学校に行きたくない子どもが、登校時間になるとお腹が痛くなったり、頭が痛くなったりする。これが、その反動なのです」
西野教授は、腹痛や頭痛といった痛みは、『エゴ(自我)』に抑圧された『イド・エス』の反発によって起こるので、薬を飲んでも治らないのだと話す。
「患者に、抑圧された状態であることを気づかせ、『エゴ(自我)』と『イド・エス』のバランスを元に戻してあげるのが、精神分析療法なのです」

講義情報

この講義の担当は…
西野 泰広
この講義の関連情報
シラバス「人格心理学」(対象:教育学科3・4年)