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授業ルポ

教育学専攻

保健体育科指導法

保健体育科指導法

保健体育科指導法

教材づくり実習
体育の授業づくり、特に教材づくりとその模擬実践を行う中で、指導法、授業観察の視点、そして授業分析の方法についても説明していく授業。教師として求められる実践的な力量の獲得を目指すのが保健体育科指導法の授業である。

はじめに

保健体育の教師を目指す学生たちが、体育実技以外の、指導方法や教材の開発といった内容の授業を受けているということにあらためて気づかされた。昨今の子どもたちの動きのぎこちなさや体力低下問題等も考えると、非常に現実的で実践的な内容といえる。

教材づくりの目的

教材づくりの目的

この日は「学ぶ内容が明確な教材の開発」と「教材の階層性についての理解」がテーマの授業であった。「体ほぐしの運動」、「体力を高める運動」、「ダンス」の3つの運動領域から、各グループで取り上げる運動を選択して教材開発をしていく。模擬授業の25分をどう構成するか、グループ内で検討がはじまる。
授業冒頭のオリエンテーションの後、グループごとに「学ぶ内容が明確」で「学習意欲を喚起する」教材の開発に向けて取り組む学生たち。「先生!」と呼ばれるたびに、広い体育館を縦横無尽に走る細越准教授。
中学生に指導することを想定した教材開発として、集団で行うなわ跳びについて話し合うグループや、CDラジカセから流れてくる音楽に合わせてマイムマイムの指導法を考えるグループ。ボールにフラフープまで用いるグループが現れるなど、ユニークな授業風景が繰り広げられる。

その中でも、ひときわ目を引くユニークな綱引きの教材化に挑戦しているグループを取材した。
「体力を高める運動」を選択したグループ。4人対抗のチーム戦で綱を引き合い、引き手の後ろに置かれたコーンに先に触った方が勝ちというルールを研究中。綱引きの人数を増やしたり、1本の縄ではなくロープを4本使って2対2で戦う形を考えたりするなど…、いろいろなアレンジを加えることによって、新しい考え方や発想につながっていくのだ。この教材は「最近の子どもたちは、思い切り自分のもてる力を発揮することがなく、体を自由に操作することができないのではないか」というところに出発点があるのだという。
学生に話を聞くと「色んなアレンジを考えるのは難しい」「先生の発想力には驚かされます」と、体の動かし方を考える難しさを実感しているようだ。「体力だけではなく知力も鍛えるのが目的」という細越准教授の教えが根付いている。

「意のままに動ける体」

「意のままに動ける体」

教育現場では、細かなケアが必要とされる。
「幼稚園や小学校、中学校の先生方と一緒に授業づくりの研究をしています。例えば、マット運動で前転を教える時、ただまっすぐ回るだけではなくて、その子のつまずきを克服できるような学習環境や関わり方を、学生さんと一緒に考えていきたいと思っています。現代の子どもたちへの指導キーワードは『意のままに動ける体づくり』です。自分の思うように動ける自由な体と、その体を使って一緒に高め合っていける仲間を、子どもたちが体育授業で得てくれたら素晴らしいと思います」と、細越准教授は話す。

実践的力量を高める

実践的力量を高める

現代の学校現場は、多様化した子どもや、色々なタイプの保護者と、一筋縄ではいかない。「本講義を受けている、教師を目指す学生たちは、自らが過ごしてきた学校を肯定的なイメージで捉えている場合が多い。しかし現場では色々なことが起こります。その事実をまずは知ることからスタートしてほしいです」と、細越准教授。まずは、現実を理解した上で教師として頑張りたいと思うことが基本にあり、その気持ちを大切にして指導の幅を広げるために、教材づくりの取り組みが意味をもってくるのだという。

講義情報

この講義の担当は…
細越 淳二
この講義の関連情報
『体育授業を観察評価する』(明和出版)高橋健夫・編著
『体育科教育学入門』(大修館書店)高橋健夫他・編著
シラバス「保健体育科目」(対象:教育学専攻3年 春期)