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授業ルポ

WTO(世界貿易機関)の仕組みや必要性などについて学んだ後、国内法との関係や最恵国待遇、内国民待遇、セーフガードといった基本原則について学び、国際貿易における基本ルールを身につける。適宜、国際ニュースなども取り上げる。

この内国民待遇には例外もある。そのひとつが政府調達と言われるものだ。渡邉准教授は、道路を作る際に国が業者を選定するケースについて話した。
「通常の先進国であれば、入札を行い、一番低い金額を出した業者に発注します。しかし、開発途上国が同様のことを行った場合、国内業者の競争力が低いために常に海外の業者に入札されてしまい、自国の産業がなかなか育っていきません。こうした悪循環を防止するために、政府調達については自国産品の優遇が認められています」
ほかにも国内生産者のみに対する補助金や、映画上映時間の優先割り当てなどが例外になっているという。

授業は、再び最新の世界経済の話題へ。今度は、中国がレアメタルの一種であるレアアースの輸出を制限しているというニュースだ。渡邉准教授は、新聞の切り抜きを見せながら、中国から日本への輸出が滞っている状況(2010年10月末時点)を話し、中国政府の対応や、WTOに申し立てをするケースについての説明を行い、講義は終了した。
その後は、小テストタイムとなった。この授業では、その日に扱った内容について、毎回小テストが行われる。今回は「日本はTPPを締結すべきか否か」「政府調達が内国民待遇の例外である理由を述べよ」の2問。学生たちは、名刺サイズほどの出席カードに意見(問1)と答え(問2)を書き、提出した人から教室を後にしていった。

渡邉准教授は、この講義は国際経済法であるが、世界全体についての問題だけではなく、常に日本と世界、あるいは日本と外国との関係を意識しながら講義を行っており、過去には、BSE問題、輸入ウナギの添加物、塩の専売なども取り上げたという。
「学生には、身近な問題を通じて国際経済に興味を持ってもらいたいんです。将来、貿易関係の仕事に就く人にとってはもちろんですが、一般企業に入っても仕組みやルールを知らないと海外に物を売ることができません。また、食という面においては、多くの食品が外国から入っている現代において、自分の身を守ることにもつながります」
TPP参加の行方はまだ不明だが、グローバル化がさらに進むであろうこれからの社会で生き抜いていくために、身につけておくべき知識であることは間違いなさそうだ。