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授業ルポ

企業が営む経済活動や関連する経済事象がどのように会計に取り込まれているか、財務会計学の基礎知識を修得することをねらいとする授業。会計学特有の「専門用語を覚える」というハードルはあるが、それらを自分のものにするためのヒントが、講義の中に数多く含まれている。

損益計算書は、営業活動に関する情報を示す『営業損益計算』、財務(金融)活動に関する情報を示す『経常損益計算』、過去の修正項目などを示す『純損益計算』という3つの区分で表示されている。さらにその区分の中で算定される“売上総利益”や“営業利益”などが何を示す利益であるか、損益計算書の内訳が詳しく解説されていく。
耳慣れない利益の名前に混乱してしまいそうだが、「たとえば1,000円の商品が売れたとして、その商品の購入コスト(売上原価)200円を差し引いた利益が800円。これが“売上総利益”です。そして、人件費や広告費にかかったコスト(販売費および一般管理費)を500円として、それを“売上総利益”800円から差し引くと、残りは300円。この300円を“営業利益”といいます」と、解説されるととてもわかりやすい。こうして得られた利益を見れば、企業の経営活動のうちどの活動から利益(損失)が生じているかを判断することができるのだという。

損益計算書の表示区分について、ひととおりのことがわかったところで、損益計算書で、企業の経営方針や戦略を見抜く方法へと講義は発展していく。
「たとえばドトールコーヒーとスターバックス・ジャパンを比べてみましょう。売上原価が多いドトールコーヒーはコーヒーの豆やフードの材料にこだわって勝負する戦略、販売費および一般管理費が多いスターバックス・ジャパンは人件費や店舗にお金を使ってサービス面を重視する戦略であることが推測されます」と、ここでも宮原准教授は学生たちにとって身近な企業を例に挙げて解説していく。さらに学生には、これらについて自分なりに分析をするよう、レポートが課された。

このあとさらに、「ルイ・ヴィトン」「ユニクロ」「しまむら」といったファッションブランドを展開する会社の売上に占める“売上総利益”の比率を比較しながら、「『ルイ・ヴィトン』は製品に高い利益(付加価値)をつけていること」「『しまむら』は1つの製品に高い利益をつけるよりも、安く大量販売することによって多くの利益を得ることを重視していること」などが解説され、この日の講義は終了した。
宮原准教授は、「学生たちには、授業で学んだことを知識レベルにとどめず、自己の発想力を足して、知恵として実践して欲しいと思っています」と語る。課題においても、決まった答えを求めるのではなく、発想力を養うことを重視しており、これにより実際に学生のレポート内容も確実によくなっているという。こうした熱心で丁寧な講義と課題との二段構えで会計学の基礎を固め、自分なりの考え方を確立していくのが、この講義のねらいなのである。