大学ホームページ 入試情報

グローバルナビゲーション


現在閲覧中のページ

ホーム > 授業ルポ > アジア探求コース > 沖縄の文化と民俗


ここから本文です

授業ルポ

アジア探求コース

沖縄の文化と民俗

沖縄の文化と民俗

琉球・沖縄独自の文化を学び整理することによって、古代日本の文化と民俗について考えていく。我々が日常行っている風習が、古代から綿々と繋がっていることを改めて実感させてくれる授業内容となっている。

琉球・沖縄文化は歴史的に抱えてきた問題が深く関係

沖縄の文化は一見、特有なものに感じられるが、実は日本古来の文化であり、それが琉球王国を経て今なお沖縄で伝承されているものが多くあるそうだ――。
日本神話や中国思想(陰陽五行思想)を専門とする前城教授の授業は、沖縄の慣習を古くからある人間の考え方や、神話に基づきながら魅力的に解説される。

本授業では、琉球・沖縄の文化と民俗の特色をそれぞれのテーマに基づいて分析し、歴史的、または地理的条件からも一般的な日本文化と異なった一面もある沖縄文化について追究している。沖縄文化の複合性や抱える問題の多様性を理解し、チャンプルー(混ぜ合わせ融合する)精神を柱に独自の文化を開花させてきた沖縄の文化系統を整理しながら学ぶことを目的としている。

生命の循環思想と地域伝承文化

今回の授業はカリキュラムの最終段階、沖縄の墓と生命の循環思想について。学生たちが日ごろ、あまり身近に感じることのない「墓」のさまざまな形態について図説された。例えば日本で一般的なのは「個人墓」だが、血縁関係ではない仲の良い者同士が費用を出し合ってつくる「共同墓」、村全体の関係性でつくる「村墓」などの共有形態の墓が見られる。そして沖縄で圧倒的に多い墓として、特定の血縁関係で結ばれた者たちでつくる「門中墓(亀甲墓)」が紹介され解説された。これらは現在も継承されており、地域に根付いた文化を考えるきっかけとなる。
前城教授の授業では、沖縄の墓の呼称を分析・解説しながら、墓の呼称に込められている思想的背景について説き、死生観までを考えさせる。

古来から変わらず信じられている霊魂観念と人間の願い

前城教授はさらに霊魂観念の考え方――人間は肉体と魂を持っているため、肉体は滅びるが、魂は滅びないという考え方を解説。生霊の例えとして「源氏物語」を取り上げ、肉体と魂が別々に存在するという考え方が、昔から現在まで信じられていることを挙げた。

また沖縄では、葬式が終わると遺族は一週間ほど墓に通い「お前は本当に死んでしまったのか」と死者の名前を呼び続けたり、歌を歌って慰める文化があったことを指摘する。これは沖縄独特の文化と考える人も多いが、古代日本で行われていた習慣が沖縄にだけ残っていたのだそうだ。前城教授は、「琉球・沖縄は地理的条件、特殊な歴史的過程において、古代日本やアジア地域を知るために非常に面白い研究対象でもあるんです」という。

古代から、人は誰しも「死」から逃れられないという事実(不条理)を認識した時、「魂の不滅性」「生命の循環性」というプラス思考で受け止め、死の悲しみから逃れようとしてきた。沖縄特有の風土の中で、墓の様式や死者をとむらう風習もその一つとなって定着していったのであろう。学生たちは沖縄文化から日本古来の伝承文化を見直し、さらに人間が持つ弱さと強さとやさしさを学ぶ授業になったのではないだろうか。


ローカルナビゲーション

授業ルポ


学びのコラム

バナーエリア

入試に関連する情報