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アジアビジネスコース

中国の経済 –Vol.2–

中国の経済 –Vol.2–

中国経済の基本的な問題をはじめ、主要産業や農業、貿易・投資やインフラ問題、米中・日中問題など、あらゆる角度から中国経済の“今”を体系的に理解していくことを目的に進められていく授業である。

粗鋼生産量が世界一の国、中国

続いて中国産業を支える“鉄鋼製品”について。自動車生産やインフラ整備において、なくてはならないのが鉄鋼である。小島教授が配布したデータ資料をもとに読み解いていく。
「過去8年間の『世界の粗鋼生産推移』データから注目すべき点は、2008年の中国国内での粗鋼生産が5億トンを上回ってきたことです。世界全体での粗鋼生産量を合計しても13億トン。その中で中国はシェア38%。国別で比較した過去8年間の推移を見ると、2000年の頃はシェア15%くらいだったのに対し、過去8年の間に倍以上の生産量となり、中国は世界一の製造国となったわけです」。

驚くべきことに、中国は5億トンも粗鋼を生産しているにも関わらず、その原料となる鉄鉱石をオーストラリア、ブラジル、インドなどから大量に輸入している現状にあると、小島教授は解説する。
「米国、EU5ヵ国、日本、韓国、台湾地域の鉄鋼石輸入総量をすべて合計しても、中国の輸入総量と同じくらいになるほど、圧倒的な量を1ヵ国だけで輸入している状態です。なぜかといえば、中国国内でもかなりな量を生産していても、品位に問題があるため、自動車や家電製品など品質重視の高級な鉄鋼の原材料としては向かないのです。日本から輸入した品質の高い鉄鋼で、高度な電機・電子製品などを生産しているわけです」。
一方では過剰な生産能力のある中国だが、高品質な粗鋼を生産する環境が十分整備されていない点が大きな弱点となっているのだ。中国政府は、中国の各鉄鋼メーカーの統合再編により、大型化を図りながら、旧式設備のある中小メーカーなどを淘汰させる計画を進めているという。

内需拡大で景気回復を目指す

「世界主要国のエレクトロニクス製品生産額のデータを見ると、2008年には4000億ドルもの商品が中国から輸出されている。これは、アメリカと日本を足した分を、中国1ヵ国で輸出している額に相当します」と、『世界の工場』と呼ばれる中国の“エレクトロニクス産業(電子産業)”について小島教授から解説がはじまる。

近年の中国において注目される家電製品の一つに薄型カラーテレビがある。販売量的に見ればまだまだブラウン管テレビが多いが、1台あたりの価格が高い液晶テレビやプラズマテレビの人気により、売上金額ベースで見ると日本のソニーやシャープにおされている状態だ。
また、昨年からの世界同時不況により、アメリカなどへのエレクトロニクス製品輸出が減ったため、中国政府は内需を重視し、国内需要の拡大が重要としている。
「人口の多い農村部の消費を拡大しなければいけないということで、政府は『家電下郷プロジェクト』という政策をスタートさせました。これは、カラーテレビ、冷蔵庫、携帯電話などを農村に住んでいる人が購入すると、販売価格から13%を差し引いた値段で購入できるというもの。この政策は、今年の2月から中国全土に拡大し実績を上げてきています」。この政策により、家電製品の売れ行きが非常に好調で、財政出動や融資の急増も相俟って中国の景気は徐々に回復傾向にあると小島教授は話す。

学生へのメッセージ

最後に、小島教授から中国経済を学ぶ学生たちへ、メッセージをもらった。「中国とは、日本のお隣に位置する、世界的に見てもとても重要な国。中国を除いてはもはや世界を語れないといっても過言ではないと言えます。わが国との相互依存が一段と深まる、そんな中国の発展した状況を、ぜひとも複合的な視点から捉えつつ理解してほしいと思います」。

講義情報

この講義の担当は…
小島 末夫
この講義の関連情報
シラバス「中国の経済」(対象:21世紀アジア学科 2・3・4年 春期

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