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ヒトは、陸上で生活していることから、プールやお風呂などの水の中に入ると一瞬、重力から解放されます。特に、水の中に入ると浮力や水圧の影響を受ける事になります。ヒトが水の中に入った時の生理的応答を25年間にわたり研究を続けてきましたので、その最新の成果を少し話したいと思います。
特に、水の物理的特性の1つである水圧が体に及ぼす影響について話します。まずは、水の中に入ると水圧がかかります。10cmの水位で+7.6mmHg加圧されることになります。つまり、100cmの深さのプールでは最大水底で76mmHg、40cmの深さのお風呂では30mmHgの加圧となります。従来、古い研究では、この水圧が肺を押しつぶし、体に負担をかけると言われてきました。しかし、この程度の水圧であれば、血圧の下(拡張期血圧)にあたり、水の中で直立すると陸上より、心拍数は低くなり、血圧も低下することがわかってきました。
つまり、陸上では重力に逆らって血液を心臓に戻している負担分を、この水圧がカバーしてくれているということがわかったのです。その結果、お風呂などに入り、浮力の力をかりて筋肉がリラックスすると、筋肉と筋肉の間にある血管が開きやすくなります。また、水圧によって静脈が心臓に戻されてくるので、末梢の血管をゆるめるホルモンが作用し、心臓に戻ってくる血液量は多いのですが、最終的に血管をゆるめ、血圧が陸上時より低下してくることがわかってきました。そこで、お風呂に入り、静脈帰環流が増えて、末梢血管抵抗が下がったところで、腕を使ったストレッチをすると、さらに血流が促進されることを発見しました。また、最近、その腕のストレッチの後、少し、水の中にある足をバタバタすることにより、さらに肩の血流が良くなることもわかりました。
肩の血流は、滞留し流れにくく老廃物が蓄積しやすいので、少しぬるめのお湯に入り、リラックスしてから上肢のストレッチをしてもらえるとよいと思います。この研究成果は、2010年11月16日のNHK「あさイチ」で放送されました。ホームページにてアクアストレッチの方法を解説していますので、興味のある方はご覧ください。
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