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北京オリンピック、今年開催された世界選手権では、世界記録の公認をめぐって「水着による競技能力の差」にまつわる話題がニュースや新聞で盛んに取り上げられたのは記憶に新しいところです。本学の水泳部員においても、新型の水着着用でベストタイムが100m種目で2秒以上も早くなる選手が続出するなどといった現象を目の当たりにしました。

そこで、この現象を科学的にとらえるための研究を私たち水泳部に関係する教員(松本、理工学部准教授 和田匡史、体育学部非常勤講師 青葉貴明)が、昨年度から行ってきました。その結果、やはり、「水着による性能の差が存在すること」が明らかになりました。北京オリンピックで金メダリストの90%以上の選手が着用していた水着を着て、けのびや、水中姿勢、ドルフィンキックの動作をビデオカメラで撮影し動作を分析したり、泳ぐ能力を測るテストを行うなどしてみると、従来型の水着に比べてはるかに選手の競技能力が向上することがわかり、私たちは、その一部を今年度の学会で発表したり、現在水泳部出身の大学院生がその結果を修士論文でまとめています。

この研究から、新たにどのような水中姿勢やフォームが速く泳ぐために大切かが見えてきて、どの水着を着てもその姿勢やフォームを維持できるトレーニングを行えば、機能を持った水着を着用した時と同様な泳ぎができるのではないかとの仮説のもと、新たなトレーニング方法を模索しています。その成果が、本年度の20年ぶりの日本学生選手権の100mバタフライでの3位獲得という成果につながったのではないかと考えています。

また、この水着が初期着用には30分ほどの時間を要し体を締め付け、選手に不快感をもたらすことから、これら締め付け型の水着着用による医学的な安全性についても研究を始めたところです。特に、成長期の選手、中高年の心・血管系の疾患を持っている選手には要注意です。
ドーピングは社会を壊し、スポーツを貶めるものとして、禁止されています。高性能のスポーツ用品やウエアの開発は競技力向上の鍵を与え大切なことである一方、安全性が担保されなければなりません。新たなスポーツ用具やウエアが体に害を与えることがないかを検証していくことも我々の責務ではないかと感じています。

スポーツを科学することは、大学の使命であり、学生の疑問に視覚やデータでその答えを出すことは大切なことです。国士舘でスポーツを実践し学ぶことは、大学だからこそできることを工夫し新たな知見を得、そしてそのことを広く社会に還元できる研究を行うことにつながっています。
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