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21世紀アジア学部 学びのコラム

中国流生活ゴミとのつき合い方 vol.2

2009年12月07日

民間資金の利用による焼却施設建設

処理率を高めるためには処理施設の建設を急ぐ必要がある。
 中国では依然として衛生埋め立てが中心で、8割以上のゴミを処理している。地方政府が最近力を入れているのが焼却処理で、特に土地が狭く経済が発展している直轄市・東部地域で増えている。従来からの堆肥化は処分場数、処理能力ともに減ってきている。

 埋め立て施設は政府が建設・運営しているが、焼却施設の建設には民間資金の利用が進められている。焼却施設の建設には処理能力1t当たり50万元ほどの多額の投資が必要になる。そのため焼却施設の多くは外国政府の援助事業によるもので、国や地方政府の投資によるものは少ない。中国政府はゴミ処理事業への投資を拡大させつつ、民間や海外からの資金活用を期待している。民間企業は、特許経営権を得てゴミ処理施設を建設し、ゴミ処理発電による電力の販売代金と、ゴミ処理に対する地方政府からの補助金で収益を得ることになる。それにより政府は初期投資を免れ財政難の解決に結びつけようというわけである。

⇒上海に建設された焼却施設
(写真は上海市提供)

焼却処理されるゴミの割合が世界各国で最も高い日本は、それだけに処理技術を持っている。日本企業もビジネスチャンスとばかりに中国の地元企業と組んで参入の機会を狙っている。しかし焼却施設は建設コストが高いのが難点で、日本でも1980年代に整備した施設が一斉に更新時期を迎えているものの、財政難などで具体的な更新のめどが立たず困っている自治体が多いという。民間資金の活用は中国の地方政府の初期投資負担を軽減するけれども、基本的にはゴミ処理と売電価格に対する政府の補助金により償却していくもので、税金、ひいては住民の負担によりゴミ処理コストがまかなわれることに変わりはない。
 問題は、焼却という処理方法が、ゴミの減量化や循環型社会建設というような、近年各国が共通して掲げる目標・理念に合致するかどうかである。

日本ではほとんどが焼却

日本のゴミ処理は明治のはじめに伝染病対策として焼却処理がなされたことに始まる。爾来、焼却処理が重視されてきた。高度経済成長期以降は、不足する最終埋め立て処分地の延命を図るため焼却という中間処理がなされてきた。現在ではリサイクルされるもの以外は、ほとんどが焼却という中間処理を経て最終的には埋め立て処分されている。
 日本には現在約1200ヵ所の焼却施設があり、これは世界一の多さである。それでもピークの1500ヵ所から、大型化への切り替えを経て減少してきたのである。次に多いアメリカでさえ150ヵ所に満たない。増加するゴミへの対応の結果ではあるが、これまで増えたのには別の要因も指摘されている。公共事業に付き物だった箱モノに対する補助金行政と政官業の癒着の構図である。環境庁(省)はゴミ処理についてソフト面で知恵を絞るというよりは、補助金をエサに焼却炉という高額な箱モノ建設を自治体に促し、その建設をめぐって政官業が蜜で結ばれたトライアングルを作り上げたのである。

 そうした中で焼却炉メーカーは技術開発に邁進し、炉の大型化を進めてきた。これにはダイオキシン対策という名分もあるが、他にも灰溶融固化施設、RDF施設などの建設が進められてきた。また、余熱を利用しての発電やセメント製造などのプラントもある。

→「中国流生活ゴミとのつき合い方  vol.3」へ続きます。
→「中国流生活ゴミとのつき合い方  vol.1」はこちら。

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