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概要

国士舘史研究年報第9号

国士舘の設立とその時代95等中学では国語学や数学、習字、外国語学、修身学などの計一六科目が、上等中学では下等の教科と重複するもののほか、経済学や動植地質鉱山学などが加えられた計一五科目が必要とされた(註(9)、一四頁)。また後の「中学校令」(一八八六年四月)の二カ月後に公布された「尋常中学校ノ学科及其程度」では、第一条で尋常中学校の学科を一四(倫理、国語、漢文、第一・第二外国語、地理、歴史、数学など。選択を含めれば計一六)に定めている(註(9)、一二八頁)。(13)この変則中学には洋学や医学のみではなく、当時の私塾で圧倒的多数を占めていた漢学塾も含まれる。現在まで存続する学校の一例として、一八七七(明治一〇)年創立の二松学舎が挙げられる。『二松学舎百年史』(二松学舎、一九七七年)を参照。(14)註(9)、二九頁。(15)註(9)、三一頁。(16)『日本帝国文部省年報 第八』(文部省、一八八二年)二四頁。(17)註(9)、一二六頁。(18)註(9)、一二八頁。(19)溝口貞彦「創立期の二松学舎と明治時代の教育制度」(戸川芳郎編『三島中洲の学芸とその生涯』雄山閣出版、一九九九年)三三〇~三三二頁参照。また同論文は、学校令前後までの教育制度の変遷が詳細に論じられており、参考となる。(20)註(5)吾妻論文、二九二頁。(21)註(9)、九三頁。(22)註(5)吾妻論文、二九三頁。および、土方苑子編『各種学校の歴史的研究』( 東京大学出版会、二〇〇八年)六一頁。(23)註(9)、三五頁。なお、同訓令の正式名称は「一般ノ教育ヲシテ宗教外ニ特立セシムルノ件」。(24)事例としてキリスト教関連のみをみると、立教学院は中学校令にもとづく立教中学校へ改組し、のちには専門学校令にもとづく私立大学となる。フェリス女学校や青山学院、東北学院などは各種学校を選ぶものの、のちにはそれぞれ専門学校令にもとづく正規の学校となる。各種学校を選択した各校は、上級学校への進学資格や懲役猶予の恩典などを受けられないこともあり、学生数の減少に見舞われた結果、それぞれが正規の学校となる傾向も認められる。(25)教育令下における各種学校はその多くが漢学塾で