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概要

国士舘史研究年報第9号

建築調査からみえる国士舘大講堂の建築的特性59四・七五坪であり、総面積は九一・〇六坪程度となることから、申請書や謄本に記載された面積とほぼ一致する。? 痕跡調査北西物置の北奥の突き当り壁は腰下竪板壁がなく、経年劣化状況より古い時代のものと推定される鴨居、長押が残ることから、出入口があったことが分かる【写真68】。その外部をみると、多数の痕跡が確認できる。土台は柱が建つ通りに埋木されていることから、北側へ伸びていたと推定される。その土台上の柱は、内法下全面に当あて板いたが) (50 (打ち付けられる。当板は、通常、部材の痕跡を隠すために打たれることから、北へ延びていた壁の痕跡を隠すためのものと推定される。上部を見ると、この範囲の長押が継がれており、その継つぎ手て、仕口は他と異なっている。他の長押の継目は縦であるが、この箇所は斜めであり、また、他の出隅は留めとするが、ここは木口を切り放して仕口がないことから、明らかに後補のものと判断できる。推測の域を出ないが、長押の斜めの継ぎ目は、かつての繋ぎ廊下屋根の勾配跡の可能性も考えられ写真73 現状 柱埋木写真 71 現状 土台埋木(隅) 写真 70 現状 土台埋木写真72 現状 長押継手旧長押後補長押