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概要

国士舘史研究年報第9号

建築調査からみえる国士舘大講堂の建築的特性57五×二・五間程度)が描かれている。一九二五年頃の「国士舘全図) (52 (」【図7】にも設計図と同様の位置に突き出した建物が見られる。しかし、繋ぎ廊下から先の建物が設計図では大講堂側に矩折れており、「国士舘全図」では大講堂と反対側に突き出る形で矩折れるという違いが見られる。一九三二年頃撮影の外便所の古写真【写真66】を見ると、「国士舘全図」と同様、大講堂と反対側に突き出ている。写真より寸法を推測すると、繋ぎ廊下の長さは一・五間、外便所梁間一・二五間程度で桁行は不明である。外壁は繋ぎ廊下、外便所ともに全面下した見み板いた壁)(50 (張りである。屋根は反射しているため分かりにくいが、勾配は緩く、軒先が薄いことから天然スレート葺き、あるいは金属葺きの屋根の可能性が高い。外便所は寄よせ棟むね造り) (50 (で、繋ぎ廊下の屋根は外便所の屋根より一段低くした切妻造り)(55 (と推定される。また便所西面上部には換気口を開け、その下に板いた庇びさしの出窓を張り出す。出窓には竪格子が付き、さらに床付近には竪格子付きの地じ窓まどを)(56 (設ける。繋ぎ廊下には、三本引違いガラス窓の出窓が付く。一九三二年頃の古写真【写真66】をよく見ると繋ぎ廊下の床下は壁がなく、開放しているように見える。また内部は、一九四二年頃の古写真【写真51】を見ると、西廊図6 1919 年 「国士舘講堂設計図」平面図(『大民』第4 巻第5 号〈青年大民団、1919 年5 月〉)図7 1925 年頃 「国士舘全図」に描かれた大講堂