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概要

国士舘史研究年報第9号

国士舘史研究年報2017 楓?56製作され、取り替えられたことが古写真より分かる(写真43、参照)。窓は、古写真、部材の経年劣化状況から建築当時のものと推定される。現在、窓に付いている網戸は、部材経年劣化の状況から明らかに後補材と分かる。建築当初から網戸が設置されていたかは不明である。柱間装置(敷居、鴨居等)は、部材の経年劣化状況から建築当時のものと推定される。? 物置建具物置建具は部材の経年劣化状況から明らかに後補材である。一九四二( 昭和一七) 年頃、一九六一年、一九六三年の古写真【写真50・52・65】に、北東物置に折れ戸形式の板戸が写る。内法下の柱間装置(無目鴨居、敷居)は、部材の経年劣化状況から建築当時のものと推定されるが、入側丸柱東面に埋木が施されることから、以前はここに建具枠が取り付いていた可能性がある。また、無目敷居、鴨居に痕跡がないことから、三連折れ板戸の可能性も考えられる。なお、天袋の柱間装置は全て後補のものである。北西物置は、建築当初は外便所へ繋がる廊下であった。このため物置開口部の設えは全て後補改修であり、建築当時はその箇所に柱間装置はない。その北奥壁については、他の内法より低い位置に鴨居、長押が残っている。一九四二年頃の古写真【写真51】に板戸もしくは板壁が写っており、その開閉形式は不明であるが、外便所の出入口と推定される。7 外便所? 資料調査「国士舘講堂設計図」(一九一九年)の平面図【図6】では、西側廊下の北端に繋ぎ廊下(奥行き一間)が付き、さらにその先に外便所(図面からの概略寸法で一・写真65 1961 年 折れ戸が設えられた北東物置