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概要

国士舘史研究年報第9号

国士舘史研究年報2017 楓?50ているが、その他の面はモルタル塗りに改変される。東面腰こし貫ぬき、) (00 (および入母屋妻面の狐格子と軒先の茅負、裏うら甲ごう、) (51 (縋る破風は、周辺部材との経年劣化状況が異なり、改修後、木地色になっていることから、新補材へ取り替えたか、旧材に洗いをかけた可能性が高いと推定される。その他、正面濡れ縁の繋ぎ貫が新材へ取り替えられている。3 天井? 折上げ格天井広間の折上げ格天井の支輪と格縁について、仕様(規格、面取り等)と部材の経年劣化状況が異なることから、天井は改修されたと推定される。また、折上げ支輪の天井漆喰は木摺り下地で、格天井は合板ボード下地の上に白塗装仕上げとしていることから、支輪は旧材、格縁は後補材と推定される。一九六〇(昭和三五)年頃の古写真【写真45】をみると、平部格天井の不ふ陸りくが)(5( (激しい。翌一九六一年頃の写真【写真46】をみると、不陸が是正され、格縁が一回り細くなっていることが分かる。以上より、広間格天井は一九六〇~一九六一年頃の間に改変したと推定される。? 化粧合板目透かし天井広間講壇上、および床の間の化粧合板目透かし天井は、現況、桧の突板を用いており、後補改変と判断される。その時期は不明である。なお、二重廻り縁は、部材の経年劣化状況より建築時のものと推定される。? 竿縁天井廊下竿縁天井は、部材の経年劣化状況より、二重廻り縁と竿縁は建築時のもので、天井板は後補改修と推定される。現状、北東、北西の物置には天袋が付き、廊下と間仕切っているが、東西物置ともに廊下の二重廻り縁が物置内部まで伸びていることから、建築時は廊下と一連の竿縁天井であったことが分かる【写真47・48】。なお、建築当時と推定される部材は、北東物置は二重廻り縁のみで、北西物置は二重廻り縁、竿縁、天井板全てである。広間の講壇側を臨む一九四二(昭和一七)年頃の古写真をみると、その両脇廊下の先が写っている【写真49・50・51】。北東物置は、内法下に建具を建て込むが上の天袋部分に建具はなく解放されており、奥北東隅の柱が見える。改修年代は不明であるが、一九六三年五月の古写真【写真52】にも同様のものが確認される。北西物置は現状位置に建具はなく、側柱側の長押とともに、さら