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概要

国士舘史研究年報第9号

建築調査からみえる国士舘大講堂の建築的特性45葛、繋ぎ貫は、経年劣化状況より後補補修材で更新されていることが分かる。また、繋ぎ貫は下楔打ちとする。この箇所の上の地長押も後補補修材で取り換えられ、西端隅の柱は濡れ縁下で矧はぎ木き、) (00 (さらにその下の土台は六〇〇㎜ 程度の長さで継ぎ補修している。その劣化原因は不明であるが、この範囲の破損が著しかったことが窺える。その他の濡れ縁部材は、部材の経年劣化状況より建築時のものと思われる。四 改修・改変の痕跡1 屋根? 天然スレート葺き屋根「国士舘講堂設計図」(『大民』第四巻第五号、青年大民団、一九一九年五月)の立面図【図5】に描かれる屋根は、下り棟)(00 (、隅すみ棟むねと)(05 (縦線が描かれており、これは瓦葺き屋根を表現したものと解釈できる。しかし、「財団法人国士館設立許可申請書」(一九一九年一〇月六日申請)、「登記簿謄本」(一九四七年一月三日受付)には「木造スレート葺平屋 講堂壱棟 建坪九拾七勺坪」とあり、大講堂はスレート)(06 (葺きであるとの記載がある。野地板が葺かれた状態で行われた大講堂の上棟図5 「国士舘講堂設計図」(『大民』第4 巻第5 号〈青年大民団、1919 年5 月〉)写真 30 同右 (側面) 写真 29 1919年 7月 27日 大講堂上棟式(正面)