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概要

国士舘史研究年報第9号

建築調査からみえる国士舘大講堂の建築的特性41の竪板は杉板、巾木) (15 (および笠かさ木ぎは) (16 (松である。なお、白漆喰仕上げ下地は、小屋裏から確認したところ小こ舞まい下) (10 (地の土壁である。北東物置は腰下を竪板張り、腰上を白漆喰仕上げとする。東西面の白漆喰壁には広間と廊下同様、松煙塗りの額縁が廻るが北面にはない。東面(窓側)と西面の広間開口側との内法の高さが異なるが、腰こし笠かさ木ぎ上から内法(鴨居)下面は四方額縁で、長押上は広間と廊下同様、長押上の横額縁がない三方額縁である。なお、経年劣化状況から腰竪板張りの笠木、竪板、巾木、漆喰壁額縁は古いものと推定される。北西物置は、東西面は腰下を竪板張り、腰上を後補合板張とするが、北面は腰竪板張りがなく、全面後補合板張とする。北東物置同様、廊下窓側と広間側の内法の高さが異なり、北面にも鴨居、長押が付くがさらに低い高さにある。後補合板壁には、東面は内法下に上横額縁のない三方額縁、西面は鴨居下横額縁と天井廻り縁下横額縁が残る。経年劣化状況から、竪板張り、額縁は古いものと推定される。エ 天井広間は一重折上げ格天井で、講壇側の一間は化粧目め透すかし) (18 (板張り天井とし、いずれも二重廻り縁) (10 (とする。格天井平部の格ごう間まは) ((1(梁間五間、桁行七間とし、中央の間はさらに一段上げて側面を換気用の格子とする。格天井板は後補合板張りの白色塗装であるが、折上げの支し輪りん板いたは) ((( (木き摺ずり下地) ((2(、白漆喰仕上げである。折上げの支輪(亀の尾)と格縁) ((0(の大きさと面取りが異なり、格縁は改修したものと推定される(四・3・?参照)。格天井板ならびに格縁以外は建築時のものと推定される。講壇上の化粧目透し板張りは桧ひのき柾まさ目めの) ((0(突つき板いた() ((5(化粧合板)で、こちらも後補の改修によるものである。講壇奥の床の間天井は講壇と同じである。廊下は二重廻り縁、竿縁天井で、竿縁二本を長手方向に渡し、廊下隅は隅すみ竿さおを入れて矩かね折おれ) ((6(に廻す。廻り縁、竿縁ともに杉材である。天井板は杉板を羽は重がさね) ((0(で張る。経年劣化状況から天井板は後補のもので、その他は建築時のものと推定される。北東物置は二重廻り縁、後補合板張りである。廊下境の天てん袋ぶくろの)((8 (無む目め鴨がも居い()((0 (二重廻り縁兼用)は経年劣化状況から後補のものと推定され、廊下の二重廻り縁に突き付け)(21 (で取り付けている。廊下の二重廻り縁は天袋内部まで伸びており、もともと物置奥の壁まで廊下と一連の竿縁天井であったことが分かる。北西物置は、内法下は根太天井) (2( (、天袋上は二重廻り縁