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概要

国士舘史研究年報第9号

建築調査からみえる国士舘大講堂の建築的特性39で、約一・五尺(四五五㎜ )間隔で配する。野地板は現状二重に張られており、下層は厚さ〇・四寸(一二㎜ )×巾七・六寸(二三〇㎜ )の杉板を横張りとし、その上に新たな野地板を張る。上層野地板の仕様は目視では確認できない。現状の銅板葺きは、一九八一~一九八二(昭和五六~五七)年頃に葺き替えられたことが分かっており(四・1・?参照)、上層の新しい野地板はその際に葺かれたものと推定される。入母屋妻壁は狐きつね格こう子しと) 11 (する。懸げ魚ぎょ、) 11 (破風) 1( (、前まえ包づつみは) 11 (、現状では銅板巻きとしているが、これは屋根葺き替え時に巻かれたものと推定される(四・1・?参照)。⑥仕上げア 外部外壁は腰上を白漆喰仕上げ、腰下をモルタル仕上げとする。正面腰下の濡れ縁上は額縁付き竪板張りとし、濡れ縁下は板いた子ご格こう子しと) 11 (する。土台上には木製水切り) 11 (を廻すが、正面濡れ縁下には廻さない。腰上の漆喰壁には、古写真より飛貫表しとしていたことが分かっている。柱と壁のチリ) 11 (がほとんどなく、壁チリ際より現在の漆喰仕上げの下に新建材のボード下地が見えることから、土壁の上に後補で施工したと推定される。腰下は古写真より正面同様の額縁付き竪板張りであったことが分かっており、モルタル仕上げは後補のものである【写真22・23】。正面の額縁付き竪板と濡れ縁下の板子格子の一部は、周囲の柱、長なげ押し等) 11 (の部材とその経年劣化状況が異なることから、以前の形式を踏襲して後補材で補修したと推定される。イ 床広間は緑色縁へり付きの畳敷きで、講壇を含め一〇八畳敷きである。講壇は高麗紋縁付きの六畳敷きで、広間より床を一・四六尺(四四五㎜ )上げる。さらにその奥は、床を五・七寸(一七三㎜ )上げて、奥行き四尺(一二一二㎜ )、巾二間(三六三六㎜ )の薄うす縁べり床どこの) 11 (床の間を設える。講壇は下部に地じ覆ふくを) 11 (廻して畳と見切り、束立てして三方框かまちを) 11 (廻して一段上げる。その小壁は竪板張りで、床框は黒漆塗りである【写真24】。廊下は緑色縁付きの畳敷きとし、出隅と北東物置前は寄木フローリング張りとする。その仕上げ境は木製見切り材を入れる。広間と廊下は段差がなく、丸柱(入側柱)の通りに無む目め敷しき居いを)(11 (入れて見切る。広間側は畳が敷き込めるよう無目敷居を丸柱面に合わせるが、廊下側は丸柱面より無目敷居が内側(面内)に入るため、畳を丸柱に合わせて円形に欠き込む。廊下側のこのような納まりより、元々の