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概要

国士舘史研究年報第9号

建築調査からみえる国士舘大講堂の建築的特性23田中昭之・木川正也建築調査からみえる国士舘大講堂の建築的特性論文と資料紹介―論文「国士舘大講堂」(以下、「大講堂」)は、文化審議会文化財分科会の審議・議決による同審議会の文部科学大臣への答申に基づいて、二〇一七(平成二九)年一〇月二七日、「国登録有形文化財(建造物)」に登録された。本稿では、登録の申請に先立ち、二〇一六年七月に行った大講堂の調査に基づき、大講堂の建築的特性と改修・改変の歴史について紹介したい。一 大講堂の概要大講堂の建築年代を直接示す棟礼は確認されていないが、雑誌『大民』(第四巻第八号・第五巻第三号、青年大民団、一九一九年八月・同年一二月)には、一九一九(大正八)年七月二七日に上棟式、同年一一月九日に落成式ならびに開舘式が挙行されたことが記録されている。なお、設計者、施工者についての明確な記録はない表1 国士舘大講堂 建物概要(現在)建築年代構造外部仕上内部仕上規模大正8(1919)年上棟木造平屋建て腰下: 洗出しモルタル、一部竪板張り腰上:漆喰塗屋根: 銅板平葺き[中央部]天井: 折上格天井、一部目透し板張り壁 :漆喰塗床 : 畳(縁付)建築面積285・34㎡(86・20坪)延床面積268・81㎡(81・21坪)[廊下部]天井: 竿縁天井壁 :漆喰塗床 : 畳(縁付)、一部寄木貼り