ブックタイトル国士舘史研究年報第9号

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概要

国士舘史研究年報第9号

坂口 二郎145蘇峰の坂口に対する評価は、一九四一年六月二〇日に開かれた坂口の還暦祝(於東京・丸の内会館、会衆一八〇余名)における祝辞に端的に現われている。内藤力三「坂口二郎氏還暦祝」(前掲、菊池『新聞人 坂口二郎 昭和編』、二八五頁)には、蘇峰が以下の内容の祝辞を述べたと紹介している。現代の新聞はそのこと??くが「商品」化され、新聞社は「営業」化され、新聞人は「職業」化されてゐるが、坂口君ひとり、その拠るところの「大民」が「商品」化されず、「営業」化されず、坂口君また「職業」化されずして、真個の新聞人としての真価を発揮されてゐることは喜ばしいことであり敬服にたへないこれこそ新聞人・坂口二郎の真骨頂を端的に言い表したものといえよう。三 坂口がつないだ人脈と国士舘の再建以上の経緯もあり、日刊紙『大民』創刊に際しては、柴田と坂口が共に知己となった人々からの支援を受けている。その様子のいくつかを「日記」からみてみたい。正午から興津庵で、野田代議士の招待があった。頭山先生、徳富先生の外に、松野鶴平君、柴田德次郎君と頭山先生令息出席、寛談して三時頃漸く連絡部へ出勤した。(一九三七年一〇月六日)[前略]午前中、柴田德次郎君来訪。かねて計画中の新聞創刊につき、徳富先生の勧告を受けて、鳩山一郎氏の出資を勧誘に行ったことを語る。[後略](一九三八年四月九日)午後三時半、柴田君と一緒に外務大臣有田氏を訪問して、帰朝の挨拶並に「大民」刷新につき応援を求め、午後六時から電通八階で大民クラブ同志のため、一時間の講演をやり、次いで芝浦の雅叙園で三池柳河先輩同志の歓迎宴を受けた。[ 後略](一九三九年一月一四日)丸ノ内会館で蘇峰先生、岩永同盟社長、小坂順造、緒方竹虎、柴田德次郎君と午餐を共にしながら、「大民」の編集方針について語り、三時前中座