ブックタイトル国士舘史研究年報第9号

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概要

国士舘史研究年報第9号

国士舘史研究年報2017 楓?140を偲ぶ機会とした。緒方の妻、息子などが来賓として招待され、また体育館正面には記念として上棟式に訪れた際の緒方の写真が拡大して掲げられた。緒方などの支援によって創設された短期大学体育科は、一九五八年四月に創設される国士舘大学体育学部へと受け継がれることになる。おわりにこれまで見てきたように、緒方と国士舘との関係は戦前からのものであり、広い人脈をもち、また政治家としての存在感が増した戦後の緒方は、政界・財界・官界の様々な人物の国士舘に対する支援を取り付ける上で重要な存在であった。緒方は、一九五五(昭和三〇)年五月二七日、多忙な国会の合間を縫って母校である修猷館高校の創立七〇周年記念式に出席し、若者たちに対して日本の再建に必要不可欠であるのは「国民の独立の気魄」を取り戻すことであると訴えた。「気魄」は、柴田が掲げ、現在まで受け継がれている国士舘の教育理念を示す四徳目「誠意・勤労・見識・気魄」にも含まれている。緒方と柴田の二人の交流が継続された理由のひとつとして、「気魄」という言葉で象徴される価値観を共有していたことがあったのかも知れない。1955 年5 月 国士舘再建感謝報告会(国士舘史資料室所蔵)