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2020年09月16日

【祝ご卒業】令和2年度(2020年9月)卒業生・修了生の皆様へ佐藤圭一学長から卒業生の皆さんへのメッセージ

日本人の心に通底する国士舘教育の“真髄”

 

国士舘大学 学長 佐藤 圭一

 

 皆様、ご卒業おめでとうございます。

 本来ならば、関係者のご臨席を仰ぎ、研鑽を積まれて学士・修士・博士の学位を取得された皆様を祝福すると共に、お互いの友情と健闘を讃え合う卒業式・修了式を挙行できないことは誠に残念でなりません。
 

 皆様の卒業される令和2(2020)年は、新型コロナウイルスの世界規模での蔓延(パンデミック)の禍中に始まりました。わが国でも感染拡大は、緊急事態宣言が発出されるなど戦後最大の危機とされ、また「3密」「クラスター感染」「テレワーク」「オンライン授業」などの関連した新語が生まれ、予測不能な感染者数の増加、経済活動の長期停滞、教育機関の閉鎖等々により国民生活に甚大な被害を及ぼしています。
 本学でも、感染防止のため、春期は全学オンライン授業と決定させていただきましたが、突然の事態にも拘らず、皆様はその趣旨を理解され、見事に所定の単位を修得されましたことに、心から敬意を表します。


 ただ、いつの時代もそうであるように、危機は人類にイノベーション志向を喚起し、「必要は発明の母」としての役割を担ってくれるものです。そのことは、今回のオンライン授業も同様です。当初、学生・教員双方に機材への不安、使用する側のスキルへの危惧もありましたが、経過と共にそれらが払拭され、むしろ、ICTが発達した今日、その可能性・利便性を皆が実感でき、教育機関における大いなる可能性を識るところとなりました。


 更には、オンラインの進展は人と人との繋がり、情報や危機感の共有を促進しています。確かに、巷間では新型コロナウイルスにより、各国は感染防止の自衛的手段として国境を遮断し、グローバル化は終焉に向かうかのような論評もなされています。しかしながら、ウイルスそのものが国を選ばない“究極のグローバリスト”である以上、むしろより緊密な国際協調と相互理解こそがコロナ禍を終息に向かわせるためには不可欠です。特に、オンラインを含む情報通信技術はこのコロナ禍を受けて飛躍的に進展しました。情報はより早く、より多く国境を越えて移動し、国家間の垣根を取り除きます。これらオンラインの普及と特性は、海外53の大学・研究機関との協定を締結している本学の国際交流の促進にも一石を投じるイノベーションを予感させるのです。


 ところで、皆様が学問を修められた国士舘は今年、創立103年を迎えました。創立者・柴田德次郎先生が建学の精神に掲げたのが、敬愛する吉田松陰の精神を範とし、「国を思い、世のため、人のために尽くす人材の養成」です。その達成のために「誠意・勤労・見識・気魄」を国士舘教育の四徳目としました。実は、本学の掲げる教育の理念とは古来、日本人が愚直なまでに手を抜くことなく、守り抜いてきた「日本人の精神文化・価値意識」そのものなのです。

 

 創立当時(大正)に発生した死者38万人を超えるスペイン風邪の猛威、関東大震災、震度7を6度数えた平成の大地震並びに大津波、未曽有という形容が毎年繰り返される大洪水…。大規模自然災害から逃れることができない宿命を持つ日本にあって、私たち日本人がもつ「最大の財産」とは、「他人を思い、社会を思い、感謝をもって行動すること」です。更には被災者の悲しみを、国民一人一人が“わが事として寄り添う”という他者を思いやる行動様式です。日本人は、正しく「誠意・勤労・見識・気魄」により一丸となって幾多の苦難を乗り越えてきたのです。

 

 コロナ禍にある今だからこそ、早期の終息を願いながら、私たちは一体となって「最大の財産」を基底として相互扶助、公徳を重んじる行動に徹していかなければなりません。21世紀にふさわしい国際感覚と、思慮深い協和の精神を身につけなければなりません。

 

 卒業・修了される皆様にお願いがあります。皆様は、国士舘精神の継承者です。引き続き四徳目を励行して下さい。そして、「本学で修得した教養を基にして、人々に寄り添う、心優しくしかも心身共に強靭な人間(=国士)」であり続けて下さい。

 

 最後に、学生に渾身の愛情を注いだ創立者・柴田德次郎先生の惜別の言葉を添えて、私から皆様へお祝いのメッセージとさせていただきます。
 

「学園生活は今日限りで、明日からはいよいよ実社会の人となる。
 どこでも国士舘の卒業生としての本分を堅持して、健康に留意し、
『読書・体験・反省』を怠らず、…六十年、八十年、百年までも、
 生き抜いて、国家社会、世界・人類のために尽くされたい。」 

昭和46(1971)年 卒業式 創立者 柴田德次郎式辞より


 

令和2年9月16日  

国士舘大学    

学長  佐藤 圭一

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