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2022年01月25日

【卒業生奮闘 この人】吉直法律事務所 弁護士・吉直達法さん

本学の17万人以上にのぼる卒業生は、社会に出てからさまざまな世界で活躍を見せています。この企画では、社会で奮闘する卒業生に国士舘で学んだことや現在の目標・夢などをインタビューし紹介します。

<2021年12月13日取材>

 法学部に「現代ビジネス法学科」が開設されたのは平成13年。その第1期生として同17年に卒業し、弁護士として8年目を迎えたのが吉直達法さんだ。

 本学大学院法学研究科を同19年に修了後、明治大学の法科大学院で学んだのち2回目の司法試験で合格。1年間の司法修習を経て、現在は都内に個人事務所を構えている。

 

 出身である鹿児島県の工業高校に通っていた吉直さんを、法学部へと結び付けたキーワードは「人」だった。

 

 インターネット黎明期といわれる頃に始めたチャットは、中学生だった吉直さんの世界を広げた。ウェブで見知らぬ相手と言葉を交わす中、「モニターの向こうの人が何を考えているのか、人の心の中を知りたいと思うようになりました」。

 当初は心理学を志望して臨んだ塾の進路相談で、人に興味があるならと講師に勧められたのが、意外にも法学部だった。その助言が吉直さんの人生を決めた。

都内にある吉直さんの事務所でインタビューが行われた都内にある吉直さんの事務所でインタビューが行われた
「ひっかかり」をほどく

 現在、吉直さんが扱う案件は多岐に渡る。遺産、債権、離婚問題、国選弁護も含め民事・刑事問わず幅広く携わる中で折に触れて思い出すのは、司法修習時代に先輩弁護士にかけられた「寄り添いすぎない」という言葉だ。

「同調して一緒に悩んでも問題は解決しません。最終的には依頼人自らが納得する結論を得られるよう、冷静な視点で支えるのが弁護士の仕事だと考えています」。

 

 そんな中、職務に最もやりがいを覚えるのは、依頼された案件に適用する法律に対して、それまで気づかれなかった「解釈」を見つけ出すことだと吉直さんは言う。

「仕事を進めていく中で、解釈の余地などひっかかる部分があれば、関連する法を掘り下げて調べていく。すると今まで知らなかった法解釈にたどり着くことがあります」。

 真実を追求する作業は「過去の判例や文献をすべて洗い出して検討します」と言うとおり、多大な労力と時間を要する。しかし「ひっかかり」を見出し、ていねいにほどくことが、依頼を適切な解決へ導く手がかりになる。

 

「依頼人の利益が最大になるための努力は怠らない」と話す吉直さん。必要とあれば自分の足で歩いて調査をすることもあるという。

 

原点は国士舘での学び

 真実の追求に注力する弁護士としての原点は、法学部時代に所属していたゼミにあったと吉直さんは振り返る。学生が各自興味のある事例を調べて発表する形式のそのゼミでは、毎回90分間、少数の学生同士でひたすら議論を繰り返した。 

 

 国士舘で得た、話し合いを重ねながら本質に迫る経験は、個人事務所を構える上でも強く影響している。単独で進める業務が多いからこそ、多忙な中でも意識的に同業者の集まりや勉強会に出席し、情報収集や思考のアップデートに努めているのも、そのひとつだ。

「できるだけ多くの人と話す機会を作り、自分の仕入れた情報が本当に正しいのか、確認・検証することが重要だと実感します」。

  • 「周りの法曹仲間からは、飄々としていると言われます」と話す吉直さん「周りの法曹仲間からは、飄々としていると言われます」と話す吉直さん
  • 司法試験合格時に本学より授与された表彰状。事務所に大切に保管されている司法試験合格時に本学より授与された表彰状。事務所に大切に保管されている
大学を訓練場に

 本業の傍ら、後進にその意義を継ぐべく、本学法学研修室(法曹などを目指す学生有志の集まり)や法学部伝統行事である模擬裁判で、卒業生として学生への指導の手伝いにも携わっている。

「法学研修室の合宿にも同行して指導するのですが、難しいですね。学生らは自分の考えは持っているのですが、自主的に発言することに慣れていない。もっと彼らの言葉を引き出したいです」。

 

 この仕事を続けていく上で、人との交流でしか得られないものがあると吉直さんは強調する。

「法に携わるのなら、机上の勉強だけでなく人と議論をしなさい、と法学研修室の学生らにいつも話しています。自分の考えや持っている情報を言葉にして伝え、それに固執せず指摘を受ける。そして逆の立場で傾聴して指摘する。この積み重ねは、学生のうちに経験しておくべき最大の学びです」。

 

 司法試験は自分との闘いだと思われがちだが、その先にある職務では、相手の主張に相対し、現実的な視点で依頼者を説得することも少なくない。

「大学やゼミをその訓練場に使ってほしい。人との関わりを積極的に持つことが、この先に必ず生きてきます。キャンパスで仲間といろんな話や情報交換をして、自分の可能性を広げていってもらいたいですね」。

 

プロフィール

氏名:吉直 達法(よしなお・たつのり)

 

生年月日:1982年10月1日生まれ(39歳)
出身学部:法学部現代ビジネス法学科 2005年卒業

     大学院法学研究科修士課程 2007年修了
出身地 :鹿児島県鹿屋市

 

吉直法律事務所

東京弁護士会所属

 

過去のインタビュー記事はこちらから

「卒業生奮闘 この人」バックナンバー

https://www.kokushikan.ac.jp/news/other_details_16520.html

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