国士舘要覧 2019
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 国士舘要覧20192理事長挨拶学校法人国士舘 理事長大澤 英雄おおさわ・ひでお1936年北海道生まれ1960年国士舘大学体育学部卒業1960年本学に入職、1981年体育学部教授、1992年から2001年まで同学部学部長、2003年から2006年まで国士舘大学学長2006年本学名誉教授、学校法人国士舘常任理事、2008年学校法人国士舘副理事長を務め、2009年4月学校法人国士舘理事長に就任1992年から2004年まで財団法人日本サッカー協会理事・特任理事、1998年から2004年まで全日本大学サッカー連盟理事長、2004年から2006年まで全国体育系大学・学長学部長会会長、2008年全日本大学サッカー連盟顧問、2014年一般財団法人関東大学サッカー連盟会長、2015年からNPO法人日本サッカー指導者協会理事長2009年から全国体育スポーツ系大学協議会理事、2012年から日本私立大学協会理事2015年から公益財団法人私立大学退職金財団監事2019年旭日中綬章受章 国士舘は1917(大正6)年に私塾「國士館」として創立し、1958(昭和33)年に国士舘大学を創設して以来、学園内外の皆様からの厚いご支援により、大学7学部・10研究科および中学校、高等学校を擁する総合学園として発展してまいりました。 「世のため、人のために尽くせる人材『国士』の養成」を旨とし、創立から100年を経て、表現方法は時代と共に変化を遂げてまいりましたが、その根底にあるのは「他への献身」という考え方です。これは、真心を持って人に尽くすことであり、本学創立者の柴田德次郎先生が学生・生徒に対して深い愛情をもって教えを説く姿から、当時学生であった私自身が学んだことであります。本学が教育理念とする「誠意・勤労・見識・気魄」の四徳目を掲げ、人材育成に取り組んだ創立者の思いを、現代のニーズに合わせて伝えていくことが、継承者である私たちの使命と考えます。一世紀前に創立者が掲げた理念は、今も脈々と受け継がれており、その一例として2012(平成24)年に設置した防災・救急救助総合研究所を中心に、地域社会に貢献する防災拠点大学としての機能をさらに強化しています。 また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)に向け、専門部署の設置や学年暦の変更、学生ボランティアの募集などを実行してきました。1964年に開催された東京オリンピックでは、本学から数多くの教職員、学生が競技役員や補助役員として大会を支え、それら貴重な経験から得られた知見と感動の記憶は今なお教職員や同窓生、各競技クラブに継承されています。東京2020大会は、またとない自国開催であり、さまざまな活動を通じてキャンパスだけでは得られない貴重な体験・知見に触れる絶好の機会にしてほしいと願っています。 国士舘創立100周年記念事業に関する実行計画を踏まえ、平成27年度策定の第一次中長期事業計画が本年で最終年度となりました。皆さまのご理解とご協力および全教職員の一致団結が実を結び、着々と実行に移されました。そして、「令和」となった本年、新時代に向けて地域ひいては日本、世界に教育と研究を通じて貢献できる学園像を捉えた第二次中長期事業計画を策定しました。国士舘102年の歴史に刻まれた偉大な先人たちの英知と、私たちの未来ビジョンを合致させ、国士舘はこれからも新たな歴史を創造してまいります。学長挨拶国士舘大学 学長佐藤 圭一さとう・けいいち1955年青森県生まれ1984年国士舘大学大学院政治学研究科政治学専攻博士課程修了、2006年政治学博士(国士舘大学)1984年本学に入職。2002年政経学部二部教授、2003年政経学部教授、2012年大学院政治学研究科長同学部政治学科主任を2期(2002年から2003年、2006年から2008年)、同学部教務主任を3期(2003年から2004年、2004年から2005年、2007年から2010年)務める2015年12月国士舘大学学長に就任2014年から比較憲法学会理事専門はアメリカ政治史 新元号「令和」の時代が始まりました。先人たちが皇統を維持し、一度として断ち切れることのない悠久の「縦の時間軸」を持つ日本を、われわれ一人一人が敬意と誇りをもって顧みる機会にしたいと考えます。 1917(大正6)年に創立した国士舘は、昭和・平成を経て、令和元年の今年、102周年を迎えました。学園の歴史は決して平坦なものではなく、多くの苦難にも見舞われました。しかしながら、国士舘発展の大きな要因には、わが国のように、変わることによる新たな息吹の吸入と同時に、変えないことによる強固な伝統の継承があります。中心部が脆弱な場合には、必要以上に時勢の影響を受け、不安定化するものです。本学には根幹を成す不変の「建学の精神」と「教育理念」があります。「誠意・勤労・見識・気魄」の四徳目を体現し、「国を思い、世のため、人のために尽くせる人材の養成」を目的とする教育が、一世紀を通じて学園全体に脈々と息づいているのです。 その一例が、全学を挙げて取り組む「防災教育」です。震度7の巨大地震や豪雨による水害という大規模自然災害が象徴的な出来事でもあった平成時代は、高齢化や少子化が急速に進む日本にとって、全国各地で「国を思い、世のため、人のために尽くせる人材」が求められました。本学の防災教育とは、それぞれの学問分野に「社会貢献意識を高める」という本学独自の付加価値として位置し、全新入生(約3,000人)必修の「防災総合基礎教育」や、3日間の実習から学ぶ選択科目の「防災リーダー養成論(実習)」を設置しています。さらに、本年度からは自然災害発生時のボランティア活動を単位認定し、地域社会を支える防災リーダー養成に向けて、より充実したカリキュラムを実現しました。 “伝統とは時代に対応しなければ、その輝きを失うもの”でもあります。「令和」の時代が由来通りに、災害のない穏やかな時代であることを念じ、本学が「令和」に込められた祈りに叶う伝統と改革の「うるわしい調和(beautiful harmony)」を実現できるよう努めてまいります。

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