国士舘大学2016手帳
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国士舘大学 学長 佐藤 圭一学長 からのメッセージ新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。教職員一同心より歓迎いたします。皆さんが入学した本年は国士舘創立99年目に当たり、2年次には「100周年記念」という節目の年を迎えます。少し100年前…1917年(大正6年)、国士舘が設立された頃の時代背景を追ってみましょう。日露戦争(1904‐05年)に勝利した日本には狂乱化した物質至上主義が渦巻いていました。成金・金権体質が大手を振るっていた時代です。米の買い占め、売り惜しみによる米問屋の焼き討ち事件も全国規模で相次ぎました。所得格差が拡大し、その改善を求める運動が各地で起こりました。創設者である柴田德次郎先生は、日本の行く末に危機感を覚え、わが国が連綿として培ってきた精神文化の復興を志し「私塾・国士舘」を設立したのです。建学の精神でもある「誠意・勤労・見識・気魄」の四徳目は、愚直なまでに手を抜かない誠心誠意を尽くす勤勉な日本人を表現したものです。格差、データ偽造、粉飾決算…。どこか現在の日本は当時と似ていませんか?国士舘の建学の精神は時空を超えて“日本人の精神的支柱”を形成する普遍性を持つものです。ただし、われわれも、そうした日本人の心でもある国士舘精神を継承するためには日々の努力を怠ることはできません。大学生活の4年間は“人生の宝物”です。勉学、部活、旅行、ボランティア、アルバイト…。全て自分の意思で決めることができます。これほど贅沢で、夢のある時期を卒業後に期待することは不可能です。ですが、この4年間は“光陰矢の如し”、瞬く間に過ぎ去ります。この4年間を有意義に過ごして頂くためにお願いがあります。1つは、卒業後の目標(就職)を可能な限り早く設定することです。国士舘大学にはそれをサポートする陣容と、各種各様の機能・施設が整備されていますので、それを最大限に活用することです。2つ目は、教養を身につけることです。グローバル化の現代は「課題解決型」の人材が求められています。心身共に逆境に耐え、真贋を見抜き、自分と思考形態が違う相手を受入れ、妥協点を見出す能力(良識)が必要です。専門知識だけではとても解決できません。判断の基礎となる生きた教養こそが対応を可能とします。専門分野に捉われない幅広い科目履修、不断の読書、図書館とメディアの活用…。日々の努力が求められます。最後に禁煙の勧めです。2020年の東京オリンピックでは競技施設が全面禁煙になります。喫煙に伴う健康被害の除去は、国民が一体となって進めなければならない重要課題です。国士舘大学は、4年後のオリンピック開催に併せて、学生と教職員の健康を守るために全キャンパス全面禁煙に向けての取り組みを始めます。“百害あって一利なし”とされるタバコの害悪を十分認識して下さい。4年後の卒業時には“夢が達成”されますことを祈り、この4年間を皆さんと共に歩んで行きたいと思います。

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